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2016.08.31 敬意を表したい
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LEITZ minolta CL with COSINA Voigtlander NOKTON 40 mm F1.4 SC

友達の誘いを受けて、古くから銀塩写真に取り組んでいる方の家にお邪魔させてもらった。
その方は、写真の入口(カメラのこと)から出口(プリントのこと)までの造詣も深く、アマチュア写真のグル
ープに所属し、定期的に開催されるそのグループ展に出品したり、全国規模の○○会に出品している、
所謂こだわりを持った熱心なアマチュア写真家。二度ほどその方が所属するグループ展に出向き、単写
真を拝見したことがあったものの、その方の撮られた写真は、技術的には高度なテクニックでプリントされ
ていたものの、正直それほど魅力的だとは思わなかった。

その方の趣味部屋は、整然と整理された暗室と、額装の際に必要なマットを切る道具を置いた部屋があり、
長年銀塩写真に取り組んできた趣味人の部屋としては理想的な空間だった。そんな素敵な場所で、こちら
の知らないことを色々質問させていただいたり、マット切りも体験させていただいたりと、楽しいひと時を過
ごさせていただいた。しかし、そんな技術的なことより、最も感銘を受けたのが、その方が今までインドとア
メリカでの旅先で撮りため、自分で気に入ったシーンを全紙大にプリントされた未発表の多量の写真だった。
それらの写真は、額装して展示された写真よりはるかに素晴らしく、部屋いっぱいに並べられた作品を分類
して見ていると、個展ができるほど十分な質と量で、思わず「個展、開きましょうよ」と勝手なことを口走ってし
まった。そして、長年こだわりを持って取り組んでいるこの方の写真を観ていると、ヴィヴィアン・マイヤーの
作品を思い出した。そうなのだ、こだわりを持って続けていると、それは誰でもないその人の「作品」として評
価しえる価値が出てくるのだ。それは、決して一発勝負の印象的な魅力ではない、十分時間をかけて熟成さ
れた魅力。そんな「作品」といえるプリントされた写真を拝見しながら、同じアマチュアとして敬意を表したい、
とも思った。

2016.08.28 街のカタチ、村のカタチ
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LEITZ minolta CL with COSINA Voigtlander NOKTON 40 mm F1.4 SC
2016.05.21 記録と記憶
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「痕跡を訪ねる」っていうのがブームです。
アタクシも例にもれず、「日本縦断こころ旅」や「ブラタモリ」を大変楽しく視聴させていただいています。
ノスタルジックな心持ち、年齢を重ねた故の感情なのでしょう、たぶん。
先日来、当ブログでも紹介させていただきましたが、古本市で手に入れた岩波写真文庫「和歌山県」に
掲載されている、戦後すぐの写真を見ていると、まだ自分の生まれていない時代の写真でさえ、懐かしく
感じて何度も見返しています。つまり、「その場所は知っているのに見たことのない風景」というのが、とて
も興味深く、また不思議なことに懐かしくも感じるのです。
この興味が高じて、明治大正のころに撮られた和歌山各地の観光写真をアーカイブ化したサイトを
見つけ、この「その場所は知っているのに見たことのない風景」ばかりダウンロードしました。
観光写真というのは、その観光地をお知らせする、また訪ねた記念にと、当時の人が買って楽しんだ
絵葉書なのですから、決定的瞬間でも芸術写真でもありません。それが、何十年後にその写真を見た
アタクシはその写真を「記念写真」としては見ていない(見られない)。そこがおもしろい。
写真っていうのはこんな風に「記録」として残されるだけで、何十年後のだれかの記憶を刺激する役割
もあるんだなー、と改めて(至極当然ですが)感じています。
そんなことで本日の画像は、そんな気持ちになったことでもあるし、現代も残る近所の古い時代の痕跡を、
画像に「古さ」のスパイスを加えてご紹介させていただきます。(つまり、加工しています)

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TAXONA 2015年3月撮影

2015.03.19 無意識写真
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LEITZ minolta CL

2012年8月、常滑・・・・・そこまでは、この画像の前後のショットを見るとわかる・・・・

過去に撮った写真のフィルムを見ていると、撮った記憶のないショットがたまにある。
それは、カメラをカバンにしまう際、間違ってシャッターをきっていたり、カメラの貸し借りで、
他人がシャッターを切ったから、持ってる本人の記憶がない場合がほとんどだ。

これは、不思議な写真だ。ピントがぼけている。しかし、構図は考えている。だって、無意識に
カメラを縦に構えることなんてないもの。一人ブラブラしながら撮っていた記憶ははっきり
覚えているから、周りには誰もいなかったのは確かだ。ファインダーを覗いての撮影だけれど、
レンジファインダーだから、ピントが合っているかどうかは、ダイレクトにはわからない。
照り返しの暑さで、頭がどうにかなって、ピントを合わすのを忘れたのだろうか?

しかし、スキャンしながらお気に入りの一枚となった。
「夏の幻影」なんて勝手に題名つけたりして・・・。無意識写真

2015.03.12 再録(セルフカバー)
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LEITZ minolta CL with SUMMARON 35mm F3.5 ( L )

ベテランのミュージシャンともなると、昔の自分の曲を再編集・アレンジして新たにリリースすることがよくある。
「セルフカバー」というヤツだ。
アタクシも昔撮ってこのブログに掲載した画像のフィルムを、もう一度スキャナーにかけて再加工してみた。
よく言うと、自分の撮った素材を再解釈してみた、となるが、悪く言うと、新しいネタがなくなった、ともいえる。
まあ、どちらでもいいけれど、紀ノ川沿いにあったこの採砂利場の廃墟も、今はもうない。

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