2016.04.23 まさに、お宝
もし、JAZZ初心者の女性に、JAZZの名盤をお勧めするとしたら、あなたは何を薦める?
そりゃ、ビル・エヴァンス の「Waltz For Debby」でしょう・・・・となるはずだ。(たぶん)
いやいや、そんなことはないでしょう・・・・という人がいたら手を挙げて発言してください。

まあ、そんなあほらしい論はさておき、ビル・エヴァンスは、JAZZの歴史の中では、
絶対外せないピアニストであることは確かだ。アタクシも初心者のころ、名盤といわれる
「Portrait in Jazz 」、そのあと「Waltz For Debby」、「Explorations」・・・・と、日に日に、
わがレコード収集に彼のリーダーアルバムが増えていった。増えていきつつ、一番のお気
に入りは?と問われると、「At the Montreux Jazz Festival」。つまり、ベース、エディ・ゴメス
ドラム、ジャック・ディジョネットを従えてのモントルージャズフェスティバルでのトリオライブ。
ビル・エヴァンスのトリオ演奏といえば、冒頭に紹介したアルバムでのトリオパフォーマンス、
特にベースのスコット・ラファロとの掛け合い(笑)が富に有名であるが、このライブでは
ドラムのデジョネットのフレッシュな演奏に後押しされ、実に颯爽とした演奏を展開している。
しかし、このトリオパフォーマンスが聴けるのは、このアルバムしかなかったのだが・・・・

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日本語版ジャケット表裏紙をスキャン

あったんですねー、それもスタジオ録音が・・・・
「Some Other Time : The Lost Session From The Black Forest」
日本語版のライナーノーツの冒頭に、この録音がモントルーでの演奏後、イギリスでの公演中、
ハンス・ゲオルク・ブルンナー=シュワーというドイツ人の電気会社の役員さんのリビングルーム
で録音されたこと、当時のエヴァンスはヴァーブというレコード会社と契約していたので、発表できず、
このテープはそのハンス氏のリビングの棚にずっと保管されていたことなどが書かれていた。
凄くね?まさに、お宝発掘だね。
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2015.11.26 怒涛のWeatherReport祭り
何気にアマゾンの新譜CDJazz部門を閲覧していると、WeatherReportのライブ音源が
リリースされているのを発見!寄せ集めの質の低い音源ではないようなので、速攻予約。
中身を気にせず買ったものだから、封を開けてビックリポン!の4枚組。
彼らが最も輝いていた1978年から1981年までの3年間、計28曲が収録されている。
さっそく車の6連奏CDチェンジャーに装填することとなるが、なんと3時間近くの長丁場
ライブを聴けるわけだ。これを祭りと言わずして何と言おう。

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まあ、なんでも現場で体験する以上に刺激的なことはないので、スタジオ録音よりライブ音源
のほうが、聴いていて面白いのは当たり前。特に即興演奏が主体となるJAZZというジャンルは顕著だ。
このグループもその例にもれず、スタジオ録音はキーボード奏者、ジョーザビヌルが中心に構成している
ことが多いが、作りこまれている分まとまり過ぎている感がある。しかし、ライブはソロパートが多いから
メンバー全員ここぞとばかりにオリジナリティーを出して演奏しているのがわかる、そこが良い。
しかし、ザビヌルは演奏者としてはいかがなものか。この人なしではWRというグループはありえないし、
作曲者としての才能は認めるところではあるが演奏がねー。俗っぽい、自己主張しすぎ。
言いきっちゃって申し訳ないが、この新譜を聴いているとそんなことを感じてしまった。
まあ、偉そうなことを書いてしまったが、黄金時代の演奏を3時間ぶっ続けで聴けるなんて
WRフリーク(アタクシの周りにはいないのが残念だが)にとってはこれほど幸せな時間はない。
2015.10.17 移動式JAZZ喫茶
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待望の【 McCoy Tyner Looking Out 】の再販CDを手に入れた。
・・・・といっても、アマゾンのおすすめ商品メールで再販されるのを知って、
予約しておいたのが届いたのだ。(あのメールは絶妙ですね。うっとおしい場合も
あるけれど、こんな風にタイミングよくおすすめされると、嬉しくって仕方がない)

1982年、コロムビア・レコードからリリースされたこのアルバムは、ストレートジャズ
(いかにもジャズっていうこと)なスタイルから一変、当時流行のポップでロックな演奏で、
ファンからは「なんだよ、マッコイ。流行りモノに乗りやがって・・・」とヒンシュクをかったらしい。
アタクシはといえば当時、軽薄なジャズファンだったのでそんなこともなかった。そんなことも
なかったけれど、あれから30年、忘却の彼方に行ってしまったこのアルバム。とあるきっかけで
欲しくて欲しくてたまらなくなったのが、アマゾンさんのおかげで手に入れられたわけだ。
で、聴いてみると、思わず「マッコイさん、申し訳ない。アルバムに入っている全曲知ってます。
アタクシ、かなり熱心に聴いていたようです。きっとレコードで買ってます」と謝罪したくなった。
(謝る必要はないのだが、そんな気持ちになるほど、懐かしく気持ちのいいアルバムってこと)

そんなことで、久しぶりに話し声が聞こえないほどのボリュームにして通勤途中の車内で聴いて
しまった。聴きながら、ふと目に入ったのが、いつもはipadをダッシュボードにつけるアダプター。
これにCDケースを挟めるんじゃないかと、やってみると見事に収まる。大音量で聴きながらアル
バムジャケットが目に入る。おお!これは往年のジャズ喫茶の風情を醸し出しているではないか。
珈琲はセブンイレブンのでいい。移動式のジャズ喫茶・・・・アタクシご満悦。
(帰りは、遠回りしてこのアルバムを2回も聴いたぜ・・・・バカ)

2015.05.23 この「叫び」を聴け
RCサクセションの【シングルマン】を買った。
ハッピーエンドの【風街ろまん】以来の、NHKの名盤ドキュメントに感化されての購入である。

1976年に発表されたRCサクセションの3枚目のアルバムであり、様々な理由によって
不遇の名盤と言われているアルバムである。様々な理由は他サイトでお調べいただきたいが、
「不遇」であればこその名盤と言えるのではないだろうか?
このアルバムからは当時の23歳の忌野清志朗の不安や苛立ち、憧れと哀しみが
ありのままの形、そう、心の「叫び」が聞えてくる、いや、実際「叫んでいる」。
その叫びに「大人になった私」は心揺さぶられた。それは「反省」と言っても良い。
悲しみや策略や謀略や裏切りや責任転嫁の、小さな波に揺られながら生きてきた大人が
このアルバムを聴いて反省しているわけだ。(大きな波に飲み込まれたわけではない)
23歳の忌野清志朗に戒められ、反省したというか・・・・・
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このアルバム、ぜひ若い世代に聴いてもらいたいなー。
決して耳に心地よくはなく、直接的で個人的な表現だから、
音楽として楽しめるモノではないのかもしれない。
だけれど、23歳の忌野清志朗が感じていた思いは、今の23歳の「あなた」も多かれ少なかれ
感じているんじゃないか?いや、感じていてほしい。そうじゃないとおじさんは悲しい。

7曲目の「ヒッピーに捧ぐ」は、突然亡くなった、一番信頼していたスタッフへの鎮魂歌、泣ける。
11曲目の「スローバラード 」は悲しくも切ないラブソング、名曲。
最後に、このアルバムを名画に例えると何を連想したか?そう、ムンクの「叫び」。
2015.01.18 今、あえて改めて名盤と言おう
1971年、11月20日、『風街ろまん』というアルバムが発売された。
東京都港区白金出身、細野晴臣24歳、岩手県江刺郡梁川村(現奥州市)出身、大瀧詠一23歳、
東京都港区青山出身、松本隆22歳、東京都世田谷区出身、鈴木茂19歳の4人の若者が組んだバンド、
「はっぴーえんど」が出した2枚目のアルバムである・・・・・
・・・・なんて書きだしたけれど、音楽好きなら誰でも知っていますね。
年末の放映されたNHKの名盤ドキュメント『はっぴいえんど「風街ろまん」(1971年)』を見たのをきっかけに
CDを買った。なんせ、名曲「風をあつめて」が入ったオリジナルアルバムだから、「買わねばなるまい」。
発売当時、アタクシはこのアルバムのことを知らなかったのか?いや、知っていた。聴いたこともあるはずだ。
ジャケットデザインも印象に残っている。メンバーのその後の活躍も、知っている。大瀧詠一にいたっては、
バンド解散後初となるソロアルバム『NIAGARA MOON』をレコードで買ったし、CDでも再び買った。
しかし、この『風街ろまん』は、なぜか知っているようで知らない、聴いたようで聴いた印象のないアルバムだった。

今、改めて聴いてみると、やはり名盤の名に恥じない名盤であると確信した。
いつもはジャケットの画像を掲載しますが、今回は中ジャケを紹介しよう。今やダウンロードして好きな曲を
手に入れる若者には「中ジャケ」と言ってもピンとこないでしょう。当時、LPレコードのジャケットは見開きに
なってまして、その見開きにも写真やイラストがプリントしてあったのです。『風街ろまん』の中ジャケは都電の
走るシーンをモチーフにした線画の鉛筆イラスト。本来はこれを表ジャケに使うところを、このイラストを描いた
イラストレーターが「4人の顔にしようよ」と提案して表ジャケは4人の顔を並べたイラストになったと、松本隆氏が
テレビの中で語ってました。まあ、そんな周辺情報はさておき・・・・

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いや、手に入れてから、4日間聴きっぱなし。飽きない。友達に「貸してね」と言われたけれど、まだ、ちょっと無理。

それでは、何が良いのか?何がアタクシのツボにはまったのか?
まず、「詞」ですね。ほとんどが松本隆氏が書いています。軽く流すように聴くと、「なるほどねー、これが和製ロッ
クの原点か。そういえば、楽器と声が旨くリンクしてるなー」と評判通りで終わってしまうけれど、じっくり聴いてい
ると、日常と非日常が混在した情景が言葉として組み合わされ、音階に溶け込んでフラッシュバックのように、
目の前に広がる。22歳のロック好きの若者が宮沢賢治の世界に影響を受け、変わりゆく彼の故郷、東京の街を
モチーフにした詩はシュールで美しい。アタクシは、この歳になって初めて「詞」が良いな、っと思う日本の楽曲を
知った。彼は、この後、歌謡界で作詞家として数々のメジャーヒットを飛ばし、名実ともに人気作詞家になる。

そして、大瀧詠一氏の書いた曲だ。ロックのかっこよさとはこのことを言うのだろうと思った。
昔からアタクシは、「英語圏のバリバリのロック」は結構認めるけれど、「日本語のバリバリロック」には興味はない。
まあ、自分の名前入りのタオルを首に巻いてマイクスタンドをくるくる回すY氏や、それ系のバンドには興味がわか
ないということだ。しかし、このアルバムに収録されている大瀧氏の「はいからはくち」と「颱風」の二曲を聴いている
と、まぎれもなく「和製ロック」なのですが、歌い方なのかなー、リズムなのかなー、聴いていて心地よいんだよなー。
それと、余裕がある、気合で歌っていない。そうだ、感情がこもっていない、と言ってもいい。それが良いんだ。
この傾向はアルバム全体にあって、メンバーすべてのリードボーカルに「感情」が込められていないのが良いのだ。
ロックに感情が加わると演歌になっちゃうもんね。
大瀧詠一、数々の名曲を残しながら、 2013年12月30日死去。日本の音楽界の巨星であることは間違いない。
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