2021.06.16
久しぶりにアート的思考した日
毎年、少なくとも三つ四つ行っていた美術館。感染症が日本に上陸してから、とんとご無沙汰でしたが、最も近場の和歌山県立近代美術館に、新しく館所蔵作品の仲間入りした写真家・奈良原一高の「王国」の一部作品が展示されているのを聞きつけて行ってきました。今までは、大きな美術館で行われる企画展覧会が情報として目に留まりがちでしたが、コロナ禍の中、他府県に行くのも気が引ける昨今、久しぶりに行ってみると、何の何の、我が町の美術館も頑張っています。というか、この美術館に入るのも3年ぶり。自分が知らないだけで、この美術館も少ない予算で良い作品を手に入れていたんだなー、と見直しました。
印象に残ったのが、
ボイル・マーク 「黒いふち石の研究」
久しぶりに見たけれど、その印象は色褪せないねー。このひと、世界地図を壁に貼って、友達にダーツを投げてもらい、当たった場所に行って、その地面を半立体の作品として完コピした人(注・裏付けが欲しかったのでネットで調べてみましたが、あまり詳しい情報がなかったので、たぶん)なんですが、元祖「ダーツの旅」。
鈴木理策 「海と山のあいだ」シリーズ3点
杉本博と並んで、我が心の師匠。ベニヤ板1枚分ぐらいの大判プリントで見せてもらえると、魅力度マックス。家に飾りたい。
鴫 剛 「無題 F」
波の写真を絵具で現実をトレースしたモノクロ絵画。168.5×214.5の大迫力。空と砂浜は省略され平面処理されているから、現実ではないところが写真ではない。(当たり前だが、波だけが存在する場面は不思議)
杉本博司 「オイスター・ベイ」
鴫 剛の作品の次に展示されている師匠の博物館シリーズの一つ。こちらは、作り物を現実世界に近づけた紛れもない「写真」。鴫 剛の作品のアンサーか?といらぬ勘繰りをしてしまった。
で、写真に興味を持っていて、昔は、自分でも絵画を勉強していて、モダンアートが好きなワタクシが、館所蔵作品展「もうひとつの世界」に出展しされていた写真やそれに類する作品を見て感じたこと。
同じ視覚伝達系表現の写真も絵画も、どんどんその垣根が取り払われて、写真であるのか絵画であるのかそれは問題ではなくなり、写真、それも投稿写真を売りにしていたアサヒカメラが廃刊になったのは自然の成り行きだなー、という事。(ちょっと雑な言い方だけれど)つまり、アサヒカメラの投稿写真は、写真を撮る人が写真の枠の中で写真を撮っていたから、編集部や選考する人が「はい、もうわかりました」で、投稿写真を選べなくなって、いきづまっちゃったから休刊したんじゃないだろうか。(という、偏見)それはもうSNSの仮想空間で「イイネ」の数で決まっちゃうんだもの、残念だけれど。
じゃあ、お前さんはどうするんだい?と問われれば、何も答えられない。だから、今は、庭に咲いている花を撮ることから始めようかな。
印象に残ったのが、
ボイル・マーク 「黒いふち石の研究」
久しぶりに見たけれど、その印象は色褪せないねー。このひと、世界地図を壁に貼って、友達にダーツを投げてもらい、当たった場所に行って、その地面を半立体の作品として完コピした人(注・裏付けが欲しかったのでネットで調べてみましたが、あまり詳しい情報がなかったので、たぶん)なんですが、元祖「ダーツの旅」。
鈴木理策 「海と山のあいだ」シリーズ3点
杉本博と並んで、我が心の師匠。ベニヤ板1枚分ぐらいの大判プリントで見せてもらえると、魅力度マックス。家に飾りたい。
鴫 剛 「無題 F」
波の写真を絵具で現実をトレースしたモノクロ絵画。168.5×214.5の大迫力。空と砂浜は省略され平面処理されているから、現実ではないところが写真ではない。(当たり前だが、波だけが存在する場面は不思議)
杉本博司 「オイスター・ベイ」
鴫 剛の作品の次に展示されている師匠の博物館シリーズの一つ。こちらは、作り物を現実世界に近づけた紛れもない「写真」。鴫 剛の作品のアンサーか?といらぬ勘繰りをしてしまった。
で、写真に興味を持っていて、昔は、自分でも絵画を勉強していて、モダンアートが好きなワタクシが、館所蔵作品展「もうひとつの世界」に出展しされていた写真やそれに類する作品を見て感じたこと。
同じ視覚伝達系表現の写真も絵画も、どんどんその垣根が取り払われて、写真であるのか絵画であるのかそれは問題ではなくなり、写真、それも投稿写真を売りにしていたアサヒカメラが廃刊になったのは自然の成り行きだなー、という事。(ちょっと雑な言い方だけれど)つまり、アサヒカメラの投稿写真は、写真を撮る人が写真の枠の中で写真を撮っていたから、編集部や選考する人が「はい、もうわかりました」で、投稿写真を選べなくなって、いきづまっちゃったから休刊したんじゃないだろうか。(という、偏見)それはもうSNSの仮想空間で「イイネ」の数で決まっちゃうんだもの、残念だけれど。
じゃあ、お前さんはどうするんだい?と問われれば、何も答えられない。だから、今は、庭に咲いている花を撮ることから始めようかな。
2015.05.04
モダンジャズのモダンな写真
去年に続いて「KYOTOGRAPHIE京都国際写真祭」に行ってきた。
目的は、モダン・ジャズの名門レーベル、ブルーノートの名だたる名演を収録したジャケットを飾る
写真の原版が展示されている嶋臺(しまだい)ギャラリーに行くこと。そのジャケット写真を撮ったのは、
フランシス・ウルフというレーベルの共同経営者の一人だそうだ。そのほとんどがローライフレックス
という二眼レフカメラを使い、ライブ会場やレコーディングの時に撮影されたもの。
知っているジャケットデザインの原版写真を見つけると、少し興奮するね。楽しかった。

その写真を使ってジャケットデザインをしたのがグラフィックデザイナー、リード・マイルス。
単純な色面に配された文字とモノクロ写真の大胆なレイアウトは、今見ても斬新だ。
その大胆さは写真のトリミングにも通じていて、画面に綺麗に入っているモデルの頭をぶった切ることもしばしば。
フランシス・ウルフはせっかく撮った写真をぞんざいに扱われたのを嫌がって、たびたび愚痴を言っていたらしい。
会場の一部、土蔵にはオーディオルームをしつらえられ、これらのアナログレコードを聴かせてくれていた。
最近、車の中だけでしか、それもデジタルでしか音楽を聴かなくなってしまったアタクシの耳に入ってくる音。
巷の噂で「アナログの音は角が取れて耳触りが良い」なんて聞いたことがあるが、たまたまかかっていた
ウェイン・ショーターの【Adam's Apple】を聴いて納得。柔らかく、分厚く、温かい。こんなに良かったけ?
まあ、高級オーディオっぽいシステムのようなので、その力も大きいのだろうが、久しぶりのアナログ音に感動。

目的は、モダン・ジャズの名門レーベル、ブルーノートの名だたる名演を収録したジャケットを飾る
写真の原版が展示されている嶋臺(しまだい)ギャラリーに行くこと。そのジャケット写真を撮ったのは、
フランシス・ウルフというレーベルの共同経営者の一人だそうだ。そのほとんどがローライフレックス
という二眼レフカメラを使い、ライブ会場やレコーディングの時に撮影されたもの。
知っているジャケットデザインの原版写真を見つけると、少し興奮するね。楽しかった。

その写真を使ってジャケットデザインをしたのがグラフィックデザイナー、リード・マイルス。
単純な色面に配された文字とモノクロ写真の大胆なレイアウトは、今見ても斬新だ。
その大胆さは写真のトリミングにも通じていて、画面に綺麗に入っているモデルの頭をぶった切ることもしばしば。
フランシス・ウルフはせっかく撮った写真をぞんざいに扱われたのを嫌がって、たびたび愚痴を言っていたらしい。
会場の一部、土蔵にはオーディオルームをしつらえられ、これらのアナログレコードを聴かせてくれていた。
最近、車の中だけでしか、それもデジタルでしか音楽を聴かなくなってしまったアタクシの耳に入ってくる音。
巷の噂で「アナログの音は角が取れて耳触りが良い」なんて聞いたことがあるが、たまたまかかっていた
ウェイン・ショーターの【Adam's Apple】を聴いて納得。柔らかく、分厚く、温かい。こんなに良かったけ?
まあ、高級オーディオっぽいシステムのようなので、その力も大きいのだろうが、久しぶりのアナログ音に感動。

2013.03.29
世界の端っこ

「I am Japanese -拝啓ティルマンス様- 」
ヴォルフガング・ティルマンスの表現様式をパクった作品。
ティルマンスの作品の傾向を要約するとこんな感じ。
最近流行の、写真の展示そのものをインスタレーション作品として見せるという手法は、
この作家がオリジナルで、写真は印画紙、インクジェット、雑誌などの印刷物が混在し、
プリントのサイズや額装の仕方、壁面への固定の方法なども変化に富んでいる。
一見するとテーマも表現方法も展示方法もすべてがバラバラなようだが、
それらを絶妙なバランスで配置されている。
最近は、世界各地を駆け巡り、グローバル化する市場経済、政治、近代化をめぐる問題と
密接に結びつけた作品で写真を通じて世界を見続け、その結果を発表したり、
暗室作業のみでプリントした抽象表現だったりと、興味の対象も多岐にわたっている。

ネットや雑誌、インタビュー記事、展覧会の図録などでこの作家の情報を得つつ、
さて、自分はどうなんだよ?と、結構まじめに考えた。
まじめに考えたのは、今まで興味を持って撮ってきた対象はいったい何だったのか、ということ。
ティルマンスは世界各地を駆け巡っているけれど、私は地元を這い回っているだけだから、
写真は日本人なら見覚えのある対象物ばかり。見ている世界が狭い狭い。
当たり前なんだけど反グローバル化。
2013.03.26
終わっちゃったよ

グループ展 わしらは怪しいカメラマンVI 「日々是好日」 終了!
なんか、いつものように(笑)、ダラーっと始まってダラーっと終わったって感じ。
でも、まあ、怒って帰ってしまう人はいなかったから、良いか?
拙ブログを見て来たくださった方、たまたま検索エンジンにひっかかって来てくれた方、
職場の方達、友達親類関係の方々、写真好きの老若男女の方々・・・
この場をお借りして、来てくださったすべての皆様にお礼申し上げます。
私のは、今までこのブログで紹介してきた写真画像をプリントしてまとめた作品、
「Happy Lunch」「I am Japanese -拝啓ティルマンス様- 」「名もなき風景」という題名をつけた三点。
さて、作者の真意は如何に?・・・・・