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2021.04.30 今、改めてカメラメーカーに問う
 X-E4を使っていて、今のところ唯一文句を言いたいのがファインダーだ。(注・本体背面の左上についている小窓をファインダーという)。これを使って被写体を見るのが気持ちよくない。まぁ、デジタルカメラだし、ミラーレスだし、高級機じゃないので、こんなもんだろうと言いたいところだが、あえて言う。もっと、見えやすくしてよ。もっと、スッキリ被写体を見せてよ。・・・と言いたい。新参門の電子メーカーがカメラを開発して売ってるならまだしも、カメラメーカーとしても老舗ですよ、富士フィルムは。
 電子ファインダーであろうがなかろうが、写真好きのワタクシたち(少なくともワタクシは)、この「窓」から見える光景を残したいと思ってシャッターを切っているのだよ。本当は、できれば、「生(なま)」の光景を切り取りたい、いや、それとほぼ同じのその瞬間を切り取りたいのですよ。この感覚、分かるかな~(注・フィルムカメラの頃はこの小窓が頼りだったのだ)それが、どうだ。スマホじゃあるまいし、メーカー自身背面の大きな液晶画面に頼るなんて(注・そのように感じる)。
 小さな液晶でもきれいに見えるように、企業努力はしているのでしょう。今は、コストを考えるとこれが精いっぱいなのでしょう。「そう思うんなら、高級機買えよ」と反論されるのでしょう。しかし、あえて言う、「背面の液晶なんていらないから、ファインダーだけを見て気持ち良く撮影できる安価なレンジファインダー風カメラを作ってくれ」

ワタクシが、この「ファインダーから被写体を見て撮る」という行為になぜこだわるのか。
それはですね、集中できるからですよ。視点が、意識が、思考が集中できる。それが、面白い。
写真を撮る醍醐味。これはカメラでしか体験できない。
もう少し詳しく具体的に述べましょう。
 視点は「あっ、これ面白い」、意識は「なぜ、面白い?」、思考は「じゃあ、こんな感じで収めよう」という、一連の回路を一瞬のうちに自分の脳内で処理し、シャッターボタンに触れている指に伝えるには集中力が必要ですね。小さなファインダーを覗いていると、周りが見えなくなるから、この行為の連続によって覚醒できるわけです(注・一眼レフを使う連写好きの人は、無意識にそうしているのかもしれませんね)。「覚醒する」なんて非日常の体験。フォトグラフィックハイ(注・周りが見えなくなってその行為に陶酔することを〇〇ハイと言いますね)というか。それに必要なのが小さな除き窓「ファインダー」。写真を撮ることで、自身が覚醒し、気持ちよくなりたいから極上のファインダーを欲するわけです。
 だから、カメラメーカーさん、多機能や高性能はスマホに譲って、この「カメラ」という機械でしか味わえない醍醐味を大事にして、もうひと頑張りしてね、と思うわけです。(注・趣味として使うカメラ限定)

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ライツミノルタCLのファインダーから見た景色をデジカメで撮る。素通しの見えは気持ちがいい

2021.04.25 春爛漫

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FUJI X-E4 with TTArtisan 35mm F1.4 C
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2016.09.19 平成と昭和のあいだ
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GRⅡ(モノクロHDR調エフェクト)

やっと涼しくなってきました、が台風が心配ですね。
そんなどんよりした今にも雨の降りそうな三連休の最終日、兵庫県立美術館で開催されている
【森山大道写真展「仮想都市~増殖する断片」】を見に行ってきた。
森山大道の膨大な作品群を「仮想都市」の構築という切り口で再編。神戸での撮り下ろし作品を
含む写真作品約120点、シルクスクリーン作品約30点、カルティエ現代美術館で展示した映像
作品などを紹介した展覧会(HP概要より抜粋)

1960年代から日本写真表現のトップランナーとして活躍されている写真家だから、「都市」のかっ
こよさやそんな写真に憧れを持つ写真好きの素人おじさんにとっては孤高の存在、・・・
「三沢の犬」と題された、不気味な目付きでこちらを振り返ってにらむ犬を撮った1枚の写真は、森
山大道のアイコンとして、誰でもが知っている・・・・といいながら実際の写真を展覧会で見るのは初めて。

一枚一枚の作品の圧が凄い。「わしがモリヤマや!」「これがわしや!」って感じ。
なんかこう、写真というカテゴリーで見てしまうにはもったいない気がした。写真による森山文学。
写真製版で製版されたシルクスクリーン作品が良かったな。微妙なトーンが削除されてしまっていて、
普段見慣れているモノクロ写真が単純な明暗表現に変換されているから、余計なものが目に入らず、
作家がその場で採取した場面をダイレクトに記憶に刻みこめる映像というか、そんな気持ちよさ。
だから、シルクスクリーンの作品群の対面に展示されていたカラーの作品が色がついているのに
かすんで見えた。それと、神戸での撮り下ろし作品群はたぶんデジタルエフェクトのモノクロHDR。
ちょっとやりすぎ?なんか素人っぽかったなー。(と思いつつ、見た後すぐにGRⅡでやってしまった)
最後はカルティエ現代美術館で展示した映像作品の再現。撮影した日を時系列で展開する縦画
4面の連続させたスライドショー。1968年に創刊され、たった3号で終わった写真同人誌『provoke』
(プロヴォーク)へのレクイエム?いや、中平卓馬へのレクイエム。中平卓馬のまなざしを森山がトレ
ースした感じ。この作品もシルクスクリーン作品に似て微妙なトーンをじっくり見れるわけでもないの
で、フラッシュバックな印象。それが良かった。

なぜ、「平成と昭和のあいだ」か?
この展覧会を見て、森山は平成になった今も、良い意味で、昭和のギトギトした時代を引きずってい
るような気がしたから。それは、レンズを向ける対象がそうなのか、それとも出力された映像処理が
そうさせるのか、そのどちらでもあるようにもおもわれるが、ある意味、昭和生まれのおじさんにとっ
ては、「男はつらいよ」や「水戸黄門」を見るときの安心感のような、定型化された森山文学を読む安
心感みたいな展示だった。ただ一つだけ、平成的作品があったとすれば、それは会場のど真ん中に
置かれていた体長30センチほどの小さな「三沢の犬」の布製フィギア。
これ、(http://daido-kobe.com/2016/08/27/に掲載されている写真観てください)。純粋な作品なの
か、それとも販売目的に作られたものなのか謎。その本気かおちゃらけかわからないあいまいさが、
今の時代的(平成的)でおもしろかった。


2016.08.26 スギモトがやってくる
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LEITZ minolta CL with COSINA Voigtlander NOKTON 40 mm F1.4 SC

東京都写真美術館のリニューアル・オープン/総合開館20周年記念として「杉本博司 ロスト・ヒューマン」を開催する。
どひゃー! キター!
2014年、パリで行われた個展、「今日、世界が死んだ(失われた人類の遺伝子の保管庫)」のリメイク版か?
遠いところまで行ってしまったズギモトが日本に帰ってきた・・・・って感じ。
美術館の公式サイトを見ると、あの!「仏の海」が新しい装いで見られるではないか!
「仏の海」とは1995年に発表した、京都の三十三間堂に安置されている千体の千手観音像を、近世や近代に付け
加えられた様々な装飾を取り除き、蛍光灯も消し、朝日を浴びて輝く千体を7年の月日をかけて撮影した超大作。
杉本博司の公式サイトをご覧いただきたい。モニターで見ても荘厳なその光景を感じられるでしょう。
何が凄いって800年前の都人が見た光景を、800年後の現代で、実際の現場で撮影して再現するっていうところが凄い!
これ、印刷物でしか見たことないから見たかったんだよなー。
新作は「廃墟劇場」。これは、1970年代から制作しているシリーズ「劇場」の、実際に廃墟と化した劇場を訪ね、作家
自らスクリーンを貼り直して映画を投影し、作品1本分の光量で露光した作品だそうだ。これも見たいなー。

東京かー、遠いなー。巡回して関西に来ないか調べてみたけれど、今のところその情報は見つからない。
しかし、行きたいなー・・・。
2016.08.25 フィルムを使うということ
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LEITZ minolta CL with COSINA Voigtlander NOKTON 40 mm F1.4 SC

いやー、まいったまいった・・・、フィルムの値段が急騰しているご時世。モノクロフィルムの現像代もまた
値上がりした。現像を頼んでいる店はモノクロ現像は外注らしい。もし、その外注先の方が現像の仕事を
辞めてしまうと、もう、ネットで現像先を探すか、自家現像を本気で考えないといけないのは時間の問題だ。
・・・・と嘆きながら、マキナの露出計を直してもらおうと修理に出すと、「オーバーホールをお勧めします」と。
眼が飛び出るほどの修理代に一瞬たじろいだが、「10年は使えますよ」の一声で覚悟を決め、オーバーホ
ールを依頼した。もう後戻りはできない、せっかく直したのに使わないと、本当の宝の持ち腐れになってしまう。
・・・・いやー、まいったまいった。