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2012.06.04 機械は何もしてくれない
久しぶりにハーフサイズカメラを手に入れた。
「ペトリハーフ」というフィルムカメラだ。
熱が冷めてしまってから久しいが、このカメラはマイブーム当時から欲しかったカメラ。
今となっては、使うことを考えて手に入れたわけでもなく、純粋に欲しかっただけだ。

P6010080.jpg
1960年代、あまたきら星の如く登場したハーフサイズカメラの中で、
このカメラは、異端児と言っても良いほど奇をてらったデザインだ。
その特徴はふたつある。
ひとつは、ファインダーの前面のガラスは緑色に染められていることだ。
どうしてなんだか、よく分からないが、撮影者は緑に染まった風景を見ることになる。
これは、白黒テレビの画面の前に、上が青、下が赤のフィルターをかけて「カラーテレビ」化させた
今や伝説となった商品と同じ効果を狙い、写真は白黒でも、カラー写真のイメージを、
せめて撮る瞬間に味わってもらおうとした、カラー映像黎明期の安直アイテムなのか?
ふたつめはこれこそ珍品アイテム、レンズ下部にあるナイフの形をしたフィルム巻上げレバー。
「トリガーワインダー」と言う、フィルムM型ライカにもオプションとして商品化され、
フィルムを素早く巻き上げるためのレバーだ。
カメラを持つ左手の人指し指で、このレバーの先を引くとフィルムを巻き上げられ、
右手の親指を使って巻き上げる普通のレバーより早く巻き上げられる(らしい)

使えるのかどうかを確かめるために、24枚撮りのフィルムを入れた。
ファインダーの緑色は、覗くとなんだか黄色っぽく、色調整が壊れたブラウン管テレビを見ているようだ。
トリガーワインダーは、確かにフィルムを巻き上げるのに便利で、使い心地が良い。
被写体との距離を自分の目で決め、レンズの目盛りを自分で合わせる。
シャッタースピードと露出の関係は経験で決めるか、別に露出計が必要で、
関係を決めたら二つの目盛りを自分で合わせる。
機械は何もしてくれない。

最近のコンパクトデジカメは高機能で高画質。
誰が使ってもある程度(というか、かなり)失敗なしに綺麗な写真が撮れる。
それはとても素晴らしいことで、私もカメラ好きの端くれとして、その魅力を堪能している。
しかしその反面、操作の簡略化は、個性のない同じ外郭になってしまったと言わざるを得ない。
古いカメラは個性的ではあるが、それにともなって知識や経験が使う者に要求する。
人がそれぞれの部品を的確に操作しないと成り立たない機械なのだ。
それが今と違って魅力的なデザインに仕立てられる要因であるし、欲しい理由でもある。
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2010.07.09 使わないコレクション
雨の近江八幡を早々に引き上げた私達は、一路大阪に向かった。
「ま、晩飯でも食って中古カメラ店でも覗きますか?」と言うわけである。
「ま、晩飯でも食って」なので、中古カメラを見ていてもそれほど興味が湧くわけでもなく
(財布が軽くなってきているのも原因ではあるが)
「さあ、帰りましょう」と食堂をでると、横に質屋さん。
「ん?カメラ置いてますよ」と後輩のN君。
どれどれ、と4人で店の中に入っていくと、「あれ?これPENTIじゃない?」と先輩E氏。
ショウケースにオフホワイトのPENTI。
「うわ!綺麗、欲しい!」と私。「見せて貰えば?」とN君。

昔から私のブログに訪問していただいている方はご存じだと思いますが、
PENTIというカメラ はとても古く、1950年代後半から60年代前半に、
東ドイツで製造販売されていたハーフサイズカメラ。
ハーフサイズカメラを集めていた3年ほど前に、そのデザインに一目惚れし、
ワインレッドのヤツを一台手に入れている。
そのワインレッドPENTI、二回ほど使ってケースの奥に静かに眠っている。
だから、もう手に入れているわけですから二台も必要はない。
必要ないけれど、色違い。オフホワイトのPENTIもカワイイではないか。
ま、財布の中身がますます軽くなってしまいましたが、
数千円で手にはいるなら、それほど懐も痛まず楽しめるコレクションとして許してもらえるか?
でも、使わないだろうな(たぶん)
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2008.02.23 Auto Half 修理に出す
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塗装するために分解し、組み立てたRICOH AutoHalf 。
とりあえず使えたものの、せっかく綺麗に塗れたので修理に出しました。

修理屋さんって凄いねー。

消してしまったファインダー枠が復活してるし、 ( たぶん、交換してくれている )
裏蓋開閉ボタンとシャッターはスムースになっているし、
セレン ( 露出を測る板 ) も交換してくれてるし ・ ・ ・ ・

持ち込んだカメラ屋のおやじさんが言うには、最初、直すの渋っていたそうです。
そりゃ、そうですよね。素人が適当にいじくったカメラの尻ぬぐいするなんて ・ ・ ・ 。

一回撮って直っているかどうか確かめてね、って言われたけれど、確かめるまで時間がかかりそう、
だって36枚撮りフィルム入れちゃったから、撮りきれるまで何日かかるやら ・ ・ ・ 。



2008.01.17 冬枯れの紀ノ川も、おもしゃいわしてー
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   PENTI

冬場の撮影は色味がないのでどうもね ・ ・ ・ ・
逆にその色味のない情景をあえてカラーで撮ると渋いかも ・ ・ ・ ・
あ、そうそう、明治時代の画家・浅井忠の水彩画のような ・ ・ ・ ・


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2008.01.16 ほやさけ、紀ノ川はええわいしょー
kinokawa01.jpg
  PENTI Photoshopにて合成

こんな広い河川敷が残っている紀ノ川。
小説 「 紀ノ川 」 の一場面にも出てきますが、昔、この流域の女性は、
上流の生家から下流の家に花嫁衣装を着て、船に乗って嫁いだそうです。

今日の和歌山弁講座 「 ほやさけ 」 → 「 だから 」
ほやさけ、今日の表題は 「 だから紀ノ川は良いじゃないか 」という意味。