2009.06.01 大人なアート
kaikei.jpg
「海景」地中海、カシス 1989 ポストカードをスキャニング後、Photoshopで加工

最初に友人二人に謝罪します。
いっしょに行こう、と言っていた「歴史の歴史」を抜け駆けして見に行ってきました。
ゆるしてくれ・・・・(おみやげ買ってきたからね)

いつでも行けるか?、とだらだら先伸ばしていたけれど、来週の日曜日には終わってしまう
大阪中之島の国際美術館で行われている、杉本博司「歴史の歴史」展を見に行ってきた。
いや、やっぱりライブは違うわ・・・・
雑誌やカタログの印刷物や地元の美術館に所蔵されている小さいプリントとは違い、
「海景」の連作9点が、幅2m程の銀色の額に入れられ、
スポットライトを浴びて暗闇から浮かび上がっているのを見て、
私は、この連作の本当の姿を初めて知った、というのが感想です。
(今日の画像はそのイメージの再現です)
素晴らしい!欲しい!
印象に残った事をだらだらと書いてみます。

まず、作家以前にコレクターとしても超一流です。
化石から仏像、掛け軸、隕石、第二次世界大戦中のTIME誌、能面、etc ・・・
小さな博物館ができるくらい。
印象に残ったのがガラスのケースに入れられた平安時代の女神像の影。
スポットライトを当てられた像の影が壁に映し出され、後光がさしていました。(上手い演出!)

「反重力構造」は奈良の当麻寺にある五重塔の部材の原寸大写真と、
解体修理前の本物の部材でインスタレーション。
そばの壁面には、その寺の土壁のパノラマ作品。(そういえば、私も撮ったな)
興味の対象が私と同じなんて、なんか嬉しい。

人体解剖図のコレクションは気持ち悪いので斜め見して終わりましたが、
部屋の片隅の奥、非常口のドアにフランシス・ベーコンの作品が密かに掛けられていた。
(そういえばベーコンの人物画は「人物」というより「人体」に近いな)

新作の「放電場」シリーズは一つの部屋全体を放電場に仕立てたか?
作品は一列に並べられた4本の柱の表裏に展示され
(ライトボックスでフィルム状の作品を浮かび上がらせていた)奥の壁は全面鏡になっている。
一枚だけ鏡が割られ、何か意味ありげ。
その正反対のスペースには鎌倉時代の雷神像が高い位置に置かれ、
壁の端にマン・レイが撮影したデュシャンの肖像。(デュシャンが放電場を見ているよう・・)
おもしろい。
最後に飾られていたリチャード・ハミルトンの『「大ガラス」の地図』も含めて、
氏のデュシャン好きが反映されています。

そんなこんなで、興奮気味の鑑賞作業でしたが、
氏の全貌を紹介したこの展覧会を見て、改めて杉本博司という作家が超一流のアーティストである、
ということを確認できた展覧会でした。
しかし、ただ展示された物品だけを見るだけなら、ちょっと理解に苦しむかも・・・・・
各コーナーの最初に、氏の文章も解説風に展示されています。
これを読むと「あ~、なるほど」と納得できます。

案の定、だらだらと書いてしまいましたが、
平たく言えば「シックで知的な」大人の展覧会。
来週の日曜日が最終日。見て損はしないと思います。

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