2009.07.05 しょんべん浜
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pen E-P1 with SUMMARON 35mm F3.5 ( L )

「しょんべん浜に行こう!」
ヨッタンの一声で、僕たち4人は野球の練習のあと、
いつもの場所に自転車を走らせた。
僕たちが一度全員で海に向かって小便をしたことから
「しょんべん浜」と呼んでいる浜は、漁港のはずれの小さな砂浜だ。
僕たちが住んでいるこの漁村は、市街からも見える小さな突端にある漁村で、
ほとんどの家が漁師を生業にし、僕の両親も小さな舟に乗って近海の小魚を獲って生計を立てている。

砂浜から対岸の市街地が一望できるこの浜辺は、
僕たちのいつもの集合場。
汚れた、たいした魅力もない浜だけれど、
なぜか僕たちはここへ来て
晩ご飯までの時間をただダラダラと過ごす。
いつもは海に石を投げ込んだりして
みんなといっしょに遊んでいる僕だけれど、
今日は少し気分が乗らない。
その原因は、今朝、起き抜けに来た
ナオコからのメールだ。

「ツキアッテホシイ」

昨日も教室で僕たちと他愛もない冗談を言っていた
ナオコからのこのカタカナで書かれたメールを、
どう理解したらいいのだろう?
それから今日一日、「ツキアッテホシイ」と
僕に告白しているナオコの顔を思い浮かべ、
どう返したらいいのかわからず困っている僕がいる。

ヨッタン、ミヨシ、ガンチャンの3人は
少し向こうで海に石を投げながら、大きな声で何か喚いている。
僕が座ってメールボックスに残っているナオコからのメールを見ていると、
ミヨシがいつのまにか僕の側に来ていたらしく、後ろから携帯の画面を覗くように
「ヤッチャン、何見てんだよー?今日はナンかおかしいぞー。
もしかしたらコクられたんじゃねーだろーなー?」
ミヨシは、いつも鋭い。人の顔色を見て心の中をズバリと言い当てる。
僕は「え?いや、違うよ」と携帯を閉じながら振り返ると、
ミヨシはもう、他の連中のところに走っていった。
こいつは鋭い事を言うが、ただそれだけで、そのことを詮索して楽しもう、という事に
興味のない人間らしい。

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僕はもう一度メールを見ようと携帯を開けたが、面倒くさくなってやめた。
向こうから「ヤッチャーン、おもしろいもん見つけだぞー」とガンチャンが呼ぶ。
僕は「ま、あした、学校へ行ったらなんとかなるか」と
携帯をジャージのポケットに入れて立ち上がった。

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アートフィルターを使って物語を作ろう、これがオリンパスからの提案?
私はこんな物語を作りました。

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