2009.11.27 鞆の浦の理想と現実
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PEN E-P1with M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8

良い漁村だった。
観光地として擦れていることもなく、古い面影を残している路地や港は落ち着いた風情だった。
なにより、漁師の奥さん達が元気だ。
旦那が捕ってきた小魚を掘っ立て小屋でさばき、
干物にしていたり路地のあちこちで売りさばいている姿を見ていると、
遠い昔の漁港がそのまま残っているようで旅心をくすぐる。
波打ち際に蒔かれた小魚の残飯を、ウミネコやカラスがやってきてついばむ姿も、
ずっと昔から同じように繰り返されてきたのだろう。
以前、発作的に「おじさん達のレトロパークが欲しい」の記事で
この鞆の浦をベースに理想の観光地を妄想したが、
その素養は充分ある。

しかし、この土地も観光か利便性かで大きく揺れているようだ。
町を歩いていても、埋め立て架橋問題で町は二分されているようで、
賛成派は路地の辻辻に「鞆地区港湾道路早期実現」の幟を立て、
反対派はポニョのイラストと共に、その道路をトンネル化することを説く。
お茶を飲みに入った喫茶店のご主人は、
「行政は古い建物の外観を修復するには補助を出すけど、内部は好きにしなさいだって・・・
でも、お金がかかりすぎてどうにもできないんです。
それに、世界遺産に登録申請しようとする動きがあるみたいですが、
かといって汚い海岸沿いを綺麗にしようという取り組みもする気配がないし・・・」
・・・・と、憂いていた。
確かに、町を貫く県道は車が対抗できないほど狭いし、海岸沿いは決して綺麗とは言えない。
でも、そこにはココに住んでいる人達の「匂い」を感じることができる。
改めて感じるのは、埋め立ててコンクリートで被ってしまうと、
その人達の「匂い」までコンクリートで被ってしまうのではないか?
無責任な観光客の私は、この町が俗っぽい観光地になって欲しくはないし、
美しい景観も捨てて欲しくもない、と言うしかない。

またまた、アシタカの言葉を思い出す・・・「共に生きる術はないのか」と・・・・。
そして、喫茶店のご主人の言葉を思い出す・・・
「本当は、観光客のみなさんに、船で瀬戸内の島々を巡って欲しいんです」と・・・。
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