2010.07.19 クラシックの醍醐味
先週から京都市美術館で始まった「ボストン美術館展」を見に行ってきました。

1870年に設立されたアメリカで最も古い美術館の一つ、ボストン美術館のヨーロッパ絵画部門から、
16世紀~20世紀前半にかけての西洋絵画の巨匠らの傑作を展示。
べラスケスやレンブラントらオールド・マスターズに始まり、19世紀のバルビゾン派や印象派、
20世紀のピカソやマティスら80点で構成。ハイライトとして、印象派の代表画家モネの名作11点を一挙に展示する。

                                                         京都市美術館HPより転載

ボストン美術館所蔵作品からの、幕の内弁当的展覧会。
自らすすんで、と言うわけでもなかったので、あまり期待もせず会場に入ると・・・
しかし、その一点一点は京都の老舗割烹の幕の内の料理のように
しっかり調理された名品揃いで見応えはありましたよ。

最初に飾られていたのが、エル・グレコの宗教画「祈る聖ドミニクス」。
1600年当時、一目で「エル・グレコの絵」とわかるほどオリジナリティのある表現を志した画家は珍しい。
誰を描いても細面の顔と、くりくり眼のカワイイ表情。ハレーションを起こした衣服の明るい部分。
学生時代の友達、古川君が好きだった画家だったよなー、なんて思いだしながら鑑賞させていただきました。
みなさん、スルーされている方が多かったけれど、宗教画はキリスト教の教義を知らないと、
どうも「絵を読めない」から辛いよねー。

そんな感じで次のブースに入ると、こんどは「肖像画」。
クラシックな「肖像画」は、これまたあまり興味を示したことのなかった私ですが、
ちょっと写真の目で肖像画を見てみると、今回は違いましたね。
「肖像画」って、つまりカメラのない時代の「ポートレイト」
オランダの巨匠・レンブラントの「ヨハネス・エリソン師」夫妻の肖像画。
顔の肌艶なんて凄いよ、もう超リアル。そして皮膚の下にある脂肪や筋肉まで感じられる。
写真では絶対表現できない。(・・・と思う)
renburant001.jpg
                                                ポストカードをスキャン
そして特に見入ってしまったのが、
ゲインズバラの「エドモンド・モートン・プレイデル夫人」の肖像
geinnzubara001.jpg
                                       ポストカードをスキャン
画像ではどうしようもないけれど、ドレスのシルク地の感じやレースのスケスケ感が凄い。
そして、おもしろいなーと思ったのが、顔の輪郭を微妙にぼかして、左目にバチッとピントを合わせている。
この「輪郭をぼかす」が絶妙。どんな超高級レンズでもこの美しいボケ味には負けるでしょう。
こんな見方で人の手によって描かれた肖像画を見ていると、
これら皮膚感のメチャクチャあるポートレイトを、現代のテクノロジーを駆使して表現できるのだろうか?
と思い、やっぱり身体を駆使した表現は凄みがあるなー、と感じた次第です。

・・・と、肖像画ブースに全勢力を費やしたので、他はサーっと見てしまったけれど、
印象派のブースも逸品ぞろい。モネの代表作はあるし、ルノアールの風景画なんて珍しい。
そして、第1回印象派展に出品したドガの作品なんかも歴史的に重要な作品。
長谷川等伯の時より混んでいなかったから、西洋絵画史名画鑑賞を一気にしてみたい、
という人にはお勧めの展覧会です。
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