2010.08.07 国立新美術館はカレーのニオイ
六本木界隈の、森ビルの美術館、サントリー美術館、そして国立新美術館で
アートトライアングルと言うらしい。
実は先週、東京出張があり、空いた時間にそのうちの一つ、国立新美術館でやっている
「オルセー美術館展」と「マン・レイ展」を見に行ってきた。
鳴り物入りで開館した国立新美術館。
フォトジェニックな外観は、写真ブログの恰好の被写体とあって、
開館当時からあちらこちらで拝見させていただいていた。
しかし、所蔵品のない美術館は穿った見方をすれば、箱物行政の大権化という見方もできる。
箱物行政ではあるものの、今回のオルセー美術館展は印象派周辺の名品ばかり取り揃えているので、
見に行かねばなるまい。(それに、デュシャンの友達、マン・レイの撮った写真も見たいし)
・・・・で、個人的感想。
過去に図版で見たことのある本物を見るというのは、普段、吉野家の牛丼を食べ慣れていて、
その味が気に入っている人が、高級黒毛和牛を使った高級牛丼を食べた感じ。
「やっぱり、本物は違うわ」と言いながら「でも、な、ま、こんなもんか」と、
その味を心底味わえないような・・。
例えば、モネのロンドン国会議事堂シリーズや太鼓橋シリーズが1点づつ飾ってあったけれど、
図版で何回も見たことがあるから「これってシリーズ全部見てみたいよねー」なんて贅沢なことを考えてみたり、
ゴッホの自画像や黄色い部屋の図版も飽きるほど巷に溢れているので、
「この人混みだからまあ、いいか」とチラ見して通り過ぎたり、真面目な方から叱られそうな鑑賞態度。
そんな中で、印象派以降の流れ、モーリス・ドニ、ヴュイアールら、ナビ派の作品はちょっと興味を引きました。

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GR digital

マン・レイはダダやシュールリアリズムの周辺の人、という感じであんまり興味がなかったのですが、
それは雑誌などで得た僅かな情報。現代美術に影響を与えた一人として、これほどの大きな回顧展は
ないだろうと、勉強半分で鑑賞した。時間軸で構成された展示で作品点数も多く、オルセーを見た後に入ったので、
こちらの脳味噌も少しお疲れ気味。小さい作品が多く、はしょったところもあるのですが、
デュシャンに誘われてアメリカからパリに渡った1921年~1940年の作品群が最も充実し、
写真表現においてもレイヨグラフやソラリゼーションなど、その後の銀塩表現に影響を与えた技法を発見するなど
チャレンジング精神に溢れたマン・レイの「気」が感じられて良かったな。
マン・レイ展、関西在住の方は、秋に国立国際美術館で巡回展がありますから、興味のある方はどうぞ。

それにしても、この美術館、入ったとたんカレーの匂いがプンプンした。
吹き抜けのエントランスはカフェになっていたし、地下のレストランも密閉されていない。
どちらから流れてきた匂いか、そしてこの時期だけのものなのか一見さんには分かりませんが、
入ったとたん、カレーの匂いのする美術館ってどうよ、と思った次第です。

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