2010.08.07 となりのプロフェッサー
いつも私達の展覧会に来て下さるプロカメラマンMさんが、今年も初日に来て下さった。
恩年70歳になろうとするその方は、会うたびに私に刺激を与えて下さり、また銀塩写真の奥深さを教えてくれる。
会場でいつものように話していると、Mさんは新しいアイテムを導入したそう。
それは、なんと! 半切りサイズの印画紙を使うピンホールカメラ!もちろん自作!
みなさん、ピンホールカメラはわかりますか?
小さな穴を開けただけの最も原始的なカメラで、その出来上がった写真の緩さから愛好者も多い。

そのピンホールカメラ、普通はフィルムを使うから、
ポピュラーなフィルムサイズの35mmだと画面サイズは2.4Cm×3.6Cm。
L判のプリントとほとんど変わらない一番大きな4×5判フィルムでも画面サイズ 9.9Cm×12.2Cm。
Mさんの作ったのは半切サイズ(35.6Cm×43.2Cm)。私の計算が間違いでなければ、35mm判の178倍という
とてつもなく大きな画面に写し取るピンホールカメラで、
実際、カメラは写し込む画面が広ければ広いほど、精度を要求されるので
こんなバカでかいピンホールカメラなんて、よっぽどの好き者でないと作らないし、作れない。

解説が長くなってしまったが、そんなカメラを自作して写真を撮ったという。
それに、別の試みで、昼間2時間露光して風景写真を撮ったという。
見てみたい、そんな凄い写真を見てみたい、と思ったので、
失礼ながらも自宅にお邪魔させていただきたい思を告げると、快く受け入れていただいた。
写真展に出品した他の二人と訪ね、例のピンホールカメラと、それで撮った写真を見せていただき、
一同笑うしかない凄みのあるピンホール写真に感動し、太陽が流れる海の風景写真
(太陽の軌跡が画面の右から左に白く残っていた)を撮るために露光時間を2時間もかけたテクニックに唖然とし、
様々ある銀塩写真の表現の醍醐味を訊かせていただいた。

プロ写真家、Mさん。銀塩写真を撮り続けて50年と言う。
写真に対する造詣が深く、見る者を惹き付ける作品の数々。
常に新しいことに挑戦し、妥協をしない姿勢。
プロでありながら、ただ、単に商売としての写真を撮るだけのプロではない、本当のプロ。
そしてなによりも、そんな深い写真に対する愛情を、ニコニコしながら楽しげに話してくれる。
我が心のプロフェッサー。Mさんとの楽しい一時を過ごさせていただき、わたしはそんな風に思っている。

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