2011.04.01 実物大美術史年表
徳島県鳴門市に「大塚国際美術館」という観光施設があります。
大塚製薬グループの創業75周年事業として1998年に開設された陶板複製画を中心とした私立美術館です。
行ってきた人の評判を聞いても、「どうせ原寸大の印刷物を飾ってるだけだしなー」 と・・・
「偽物に3000円もの見学料を支払うのはいかがなものか?」 と・・・
私はそんなふうに思っておりました。
そんなふうに思っておりましたが、興味を持っていたのも確かなので、
淡路島日帰り観光のひとつとして連れ合いと行ってまいりました。

いや、まいりました・・・
物量作戦といいいますか、世界各国の国宝級西洋名画が、なんと1000点以上!
実物大でこれだけ集まっていると、陶板に印刷された偽物であることなんかふっとんでしまって、圧倒的です。
「おお!ボッテチェルリ!」「おお!ラファエロ!」「おお!ボッシュ!」「おお!デューラー!」
「おお!フェルメール!」もちろん「おお!モナ・リザ!」「おお!システィーナ大聖堂!」の世界です。
展示されている作品のほとんどすべてが、世界史の中で勉強したヨーロッパ絵画ばかり。

P3303495.jpg
ヨハネス・フェルメール 真珠の耳飾の少女(青いターバンの少女) 本物は デン・ハーグ、マウリッツハイス美術館蔵
偽物なのに、この圧倒的な迫力はなんだろう?と考えながらズルズルと見ていると、
連れ合いがポツリ・・・・
「本物の現代ゲージュツを見ていても、何のことだかわからないんだよねー、それに、見るだけだしね。
でも、こんなふうにどこかで見たことのある有名な絵が間近で見られたり、バンバン写真も撮れるって良いよね」
これはなかなか確信をついてますよ。
どこかで見覚えのある有名な作品が、図版ではなく実物大で展示されているのを自由に見られる、というのは、
芸術鑑賞としては理想的な形です。この美術館は、それが偽物であったとしても、
いや偽物であるからこそ身近に接することができる。それは価値のあることです。

因みに、私もこの美術館では写真を撮りまくりました。
(撮っても良いの?って聞いたら、係の人が「良いですよ」って言ってくれたもんで・・・)
和歌山からでも高速道路を使えば2時間、大阪神戸当たりなら2時間もかからずに到着します。
ミケランジェロが描いた「最後の審判」、システィーナ大聖堂の実物大の中を再現しているのを
見るだけでも充分価値あり。帰りは美味しい魚料理を食べて、温泉に入って帰れば気分もリフレッシュ。

ところで、日本の既存の美術館に飾られるゲージュツは、新しかろうが古かろうがしゃちほこばってて
「見せてあげる」みたいな態度。超有名な作品などは「ここから入ってはいけません!」と
いうロープまで張られ、なんだか、じっくり見せたくないような態度。
逆に言うと、見る側が信用されていないのか。
まあ、「ご自由にどうぞ」となると、写真を撮りにきたんだか、見に来たんだかわからないわ、
走り回るわ、作品の前で携帯触って邪魔するわ、ペットボトル飲みながら見てるわ、
弁当食ってるわ、(弁当は食わないか?)
もう、何をしに来たんだか分からない人達でいっぱいになるのを心配しているんだろうか?
これは見る側の、ゲージュツに接する時の「小さい頃から最低限のマナーを教えてもらっていない」
という問題でもあるんでしょうけれどねー。
人の話によると、ヨーロッパの美術館では結構「ご自由にどうぞ」みたいなところが多いみたい。
(そう言えば、数年前、日本の高校生が外国の遺跡かなんかにラクガキして、ヒンシュクかってましたっけ?)

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