2011.08.06 アートツアー報告書 その② 再び地中美術館
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現地でもらったパンフ表紙

モネの部屋は真っ白で、大理石の小さなタイルが引き詰められ、
正面には睡蓮の大作が飾られている。
その部屋は、狭い間口から薄暗い前室を通り抜けたところにあり、
天井の隙間から漏れる自然光で作品を見せるしつらえである。
鑑賞者は最初暗い前室から明るい自然光の中の睡蓮と出会い、
明るい自然光に誘われ、正面の睡蓮と対峙する。

この美術館は、この睡蓮を展示するために構想されたという。
モネの睡蓮は美術史上永遠の宝として、この美術館に納められたのである。

ウォルター・デ・マリアの作品「タイム/タイムレス/ノータイム」はひとつの大きな部屋が作品だ。
部屋の中央に黒光りした2.2メートルの球体が置かれ、鑑賞者はこの球体に引き寄せられ、階段を上る。
この球体は、映画「2001年宇宙の旅」に登場したモノリスの新しい解釈だ。
月の地下で発掘されたモノリスに引き寄せられる、映画に登場した科学者達のように、
私はこの球体に引き寄せられ、宇宙船のメインコンピュータ「ハル」の赤い球形をのぞき込むように
この球体に映る自分を見ることができる。

地中美術館を出て、私は思った。
この美術館は現代の古墳、もしくは宗教儀礼を行う場所であると・・・。
モネの部屋は宝物殿、ジェームス・タレルは瞑想の部屋、
そしてウォルター・デ・マリアの部屋は神殿。

安藤忠雄氏と福武總一郎氏はとんでもないモノを作ってしまった。
直島に宗教施設を作ってしまったようなモノだ。
それもうわべだけのまがい物ではなく、人の心を揺り動かし、
平穏な精神を宿すことのできるホンマモンだ。
そして、ここを訪れる人々は、3人のアーティストの信望者となり、
その魅力の虜になってしまうのだ。そのひとりが私だ。

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