2011.10.27 超一流VS超一流
我が師(勝手に思っているだけですが)杉本博司氏、凄い人だなー。
知的好奇心に溢れ、それも一貫して「最初はどうなのよ」を徹底して追求する拘り。
今度は演劇、それも人形浄瑠璃。

後輩が NHK ETV特集で放送された「この世の名残 夜も名残 ~杉本博司が挑む「曽根崎心中」オリジナル~」
という、杉本博司演出の人形浄瑠璃「曽根崎心中」のメイキング映像を録画したDVDをくれた。
近松門左衛門の曽根崎心中だよ。人形浄瑠璃なんて正直、過去の文化遺産。もう日本史の世界。
それを掘り起こしちゃうんだから凄い、というか、その見識が凄い。
現在、文楽劇場なんかで上演されている「曽根崎心中」は、近松門左衛門の原作を改編して演じられているらしく、
原作は 「エロスの問題、つまり色恋沙汰は、詩的関心事ではあっても、長らく宗教的な関心事ではなかった。
しかし恋を心中によって成就させることによって、二人の魂が浄土へと導かれるという革命的な解釈が、
はじめて近松門左衛門によって披露された」  杉本博司前口上より
初演当時、「封建道徳に深く縛られていた恋する若い男女に、心中は爆発的に流行した。
この世で遂げられぬ恋は、あの世で成就される、と思わせる力がこの浄瑠璃にはあった。
江戸幕府は享保8年(1723)、「曾根崎心中」を上演禁止とし、心中による死者の葬儀も禁止した。」 同上

原作を忠実に再現することによってこの生々しさを現代に蘇らせ、杉本流の演出でやっちゃう剛胆さ。
伝統を受け継いできた人間国宝のお歴々を相手に、杉本氏が出演者にプレゼンしているシーンは圧巻。
飄々と話す杉本氏に対して、鬼の形相でそれを聞いている人間国宝。
超一流VS超一流・・・だけれど
伝統を受け継いできた人達にとっては、破天荒な演出に戸惑うばかり。
しかし、演技者も「伝統の根本」を知りたいし、それに挑戦することはやぶさかではない。
プレゼン終了後、興奮気味に様々な問題点を指摘し、その解決方法を探る。

この人形浄瑠璃はたった2日間の特別公演。
「物」として残らないから、この公演を鑑賞できた人達は本当に幸せだな。

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