2012.12.06 理想の一人住まい
houjyouki.jpg行く川の流れは絶えずして、
しかももとの水にあらず。
よどみに浮ぶうたかたは、
かつ消えかつ結びて、
久しく止とゞまる事なし。
世の中にある人と住家と、
またかくの如し・・・

・・・方丈記の冒頭
古文で勉強したね。
(何となく覚えているだけ)

今年は鴨長明がこの方丈記を脱稿した
とされる1212年から、800年だそうな。
それを記念して、どっかの放送局で
鴨長明ゆかりの場所を訪ねる番組を
やっていた。
番組の最後の方で、鴨長明がこの
方丈記を書いたとされる庵の跡を訪ね
ているのを見てビビ!ときたので、
その出演者新井満の「自由訳・方丈記」
を読んでみた。ビビ!ときたのは長明が
隠居生活をしていたこの庵。「方丈」とは
今の住宅で言うと京間の6畳だそうな。
一人住まい用にと、こんな小さな住宅を
京都の南日野山という山の奥にセルフビルドし、自由気ままな一人暮らしをしていた、というのが羨ましい。

方丈の庵(原文・一部省略)

・・・・その家のありさま、世の常にも似ず。廣さは僅に方丈、高さは七尺が内なり。
處をおもひ定めざるが故に、地をしめて造らず。土居(つちい)を組み、うちおほひを葺きて、
つぎめごとにかけがねをかけたり。もし、心にかなはぬことあらば、やすく外に移さむがためなり。
その改め造る時、いくばくのわづらひかある。積むところ、わづかに二兩。車の力をむくゆる外は、
更に他の用途いらず。
・・・・東に三尺余りのひさしをさして、芝を折りくぶるよすがとす。南に竹の簀子(すのこ)を敷き、
その西に閼伽棚(あかだな)を作り、北によせて、障子をへだてて、阿彌陀の畫像を安置し、
そばに普賢をかけ、前に法花経を置けり。東のきはに、蕨(わらび)のほどろを敷いて、夜の床とす。
西南に、竹の吊り棚をかまへて、黑き皮籠(かわご)三合を置けり。すなはち和歌・管絃・往生要集
ごときの抄物を入れたり。かたわらに、箏・琵琶、おのおの一張を立つ。
いはゆるをり箏、つぎ琵琶これなり・・・・

どんな住まいかと言うと・・・
広さはわずかに3メートル四方で、高さも2メートルちょっと。
住み続けるつもりはないから、土台をつくり、簡単な屋根を設けて柱の継ぎ目をとめただけ。
部材はせいぜい荷車2台分。
小屋の南側に、簡単な日よけをつくり、竹のすのこを敷き、その西面には仏前の棚。
部屋の中、西に向かって阿弥陀さまの絵を配置し、ちょうど夕日が眉間を照らす。
垂れ布の脇に、普賢菩薩、不動明王の絵をかけ、北側には障子の上に小さな棚をつくり、
黒の皮カゴを3置いて、和歌や管弦作品、往生要集といったものの抜き書きを入れておいた。
手近なところには、琴と琵琶を一台ずつ立てかける・・・・

あこがれの、誰の邪魔もされない、気ままに過ごせる一人用住宅。
自然素材ばっかりで、それもセルフビルドで作ってみたい・・・
定年退職してからの楽しみ、なんて理想だね。長明も60歳ぐらいに作ったようだし・・・。

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