2013.03.12 境界を持たない人
ウェイン・ショーターの「Without A Net」を聴いたぜ。
ブルーノート復帰第1弾のこのアルバム、ラジオのパーソナリティによると、ショーターがプレゼン用に
持ち込んだテープを、デレクターが「これ、良いじゃない」とそのままアルバムになったそうな。
御大80歳にして、留まることを知らず・・・の一言に尽きる。

ジャズという音楽の最大の魅力が、即興演奏にあるとするなら、ショーターほどImprovisationに
こだわっている演奏者はいないし(私の浅はかな範囲では)、それを美しい音に昇華させる才能を
持った現代最高の音楽家であることは間違いない。いやー、そんなことを思ってしまうほど良いアルバムです。
ピアノ、ベース、ドラム、そしてショーターのソプラノサックスが、それぞれに呼応しながら、渾然一体となって
紡ぎ出す音は、カルテットメンバー 一人ひとりの即興演奏の集合体。
バラバラになりそうでならない、ギリギリの緊張感を持った演奏のオンパレードなのです。
印象的なのが、6曲目に入っている ”Pegasus(ペガサス)”という23分間に及ぶ曲。
「イマニ・ウィンズ」という管楽器アンサンブルが参加してのライブ録音だそうですが、
古典的な管楽器の演奏に乗って、カルテットが自由気ままに踊っているよう。

それにしても、このジャズマンはどんな脳みそを持っているのだろう?
若き頃、アート・ブレイキー、マイルス・デイヴィスというジャズジャイアントと
対等に張り合い、WRではジョー・ザビヌルのポップな楽曲に協調しながらも存在感を発揮し、
ポピュラーミュージシャンのサイドマンとして華を添え、自身の作曲では妖術めいたイメージの
楽曲あり、フリージャズっぽい楽曲あり、社会性のある楽曲あり・・・と作曲家としても高く評価
されており、スタンダード・ナンバーとなっている曲も少なくない。
断片的に聴いているだけなので確信はありませんが、ここ50年のジャズの流れを知りたければ、
ショーターのアルバムを聴けって感じです。

Without A Net002

それにしてもなんだか不思議なジャケットデザイン。
力が入っていないそっけないデザインなのに、手描きのヘタウマ女性ヌード、それもジャンプしたのと
寝そべって何か助けを求めている2体。意味があるのか、ないのか全く意味がわからない。

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