2013.05.07 新しいのに錆の浮いた文体
自民党の一部の議員さんが考えた「日本国憲法改正草案」って読んだことある?

「前文」はこんな感じ・・・
 日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、
国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。
 我が国は、先の大戦による荒廃や幾多の大災害を乗り越えて発展し、今や国際社会において
重要な地位を占めており、平和主義の下、諸外国との友好関係を増進し、世界の平和と繁栄に貢献する。
 日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り、基本的人権を
尊重するとともに、和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する。
 我々は、自由と規律を重んじ、美しい国土と自然環境を守りつつ、
教育や科学技術を振興し、活力ある経済活動を通じて国を成長させる。
 日本国民は、良き伝統と我々の国家を末永く子孫に継承するため、ここに、この憲法を制定する。

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FUJI X-E1 with Summilux-M 35mm F1.4

どう贔屓目に見ても美しい文章とは言えない。
出てくる文言が、今まで何回も某首相がご発言なさっている単語の羅列で、錆び付いちゃってる。
それに、なんだか、高圧的で「言うこと聞かない奴、許さないけんね」みたいな。
・・・・日本国民は、国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り・・・が、
「基本的人権を尊重する」ことより前に来てるなんて、すごーく意図的。
国を「気概を持って守」らなければいけないんだってさ・・・・
因みに現行の「日本国憲法」の前文は・・・
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、
本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法は、かかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。
 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。
 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。

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ちょっと長ったらしいけれど、なんと美しい前文。
国民がすべて等しく、同じ目標に向かって歩んでいこうとする、それこそ「気概」を感じる。
現在日本が置かれた状況から、短絡的にみれば「ちょっとね」と感じてしまうけれど、
理想を追わずして未来はあるか?
それにお仕着せ憲法だという識者や議員さんもいるようだが、その「お仕着せ」で
平和に、安全に、裕福な生活を送れてきた私たち戦後世代の生き方を自ら否定するのか?
私たちの受けてきたこの「現行憲法」を基にした教育は間違っていたのか?

憲法記念日になると必ず話題になる「改憲論」を声高にまくし立てる論調を読んでいると、
そして勝手に考えている「改憲草案」を読んでみると、本来必要とする「改憲」とは
ちょっと違うんじゃないの?と、記念日から一週間経ってから思うのです。
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