2013.06.03 二面石のヒ・ミ・ツ
奈良・明日香村には古代のロマンがあふれています。
1300年以上も前の都市跡が、田んぼの下に隠されていると想像するだけでワクワクします。
でも、田んぼより上の観光化されたロマンは「現代」だから、いくら当時をそれっぽく再現しても、
それほどリアリティを感じることはありません。
その中で1300年前のリアリティを残しているのは「石」です。
若い頃から、結構好きで何度も来ていますが、「石」を見ているときが一番ロマンを感じます。
これら石の遺物・遺構は、その意味は未だに解明されていないので、我々素人も自分勝手の想像を広げられます。
橘寺境内にある「二面石」と呼ばれる石造物は、背中合わせに二つの表情を持った人面石。
時代と共にディティールは風化してしまっていますが、うっすらと顔の表情はわかります。
この二面石、通説では北面の顔を善、南面の顔を悪とし、私たちの心の持ち方を表すと
言われていますが、お寺側の後付けしたのが通説になったのでしょう。
そこで、しげしげと顔の表情を観察して思い出したのが、「阿吽(あうん)」。
あの「阿吽の呼吸」の「阿吽」です。
北側の顔は口をあけて「あ」と声を発したように見えるし、
南側の顔は少し苦しい見方ではありますが、「うん」と発しているように見える。
DSCF4709.jpg DSCF4708.jpg
北面ー阿顔                                  南面ー吽顔

Yahoo!百科事典を紐解くと・・・
阿吽とは、サンスクリット語のア・フームa-hの音写。
密教では、「阿」は口を開いて発音する最初の音声で、すべての字音は阿を本源とし、
「吽」は口を閉じて発音する音声で、字音の終末とする。
また、阿は呼気、吽は吸気であるとともに、それらは万有の始源と究極とを象徴する。
さらに阿字には不生(ふしょう)、吽字には摧破(さいは)の意があるなどとする。・・・と解説している。

飛鳥時代が中国や朝鮮半島の文化を直輸入して国家を形成していったのは学校で習いましたが、
その辺の人間だけが日本列島にやってきたわけではないでしょう。そこより西方の人々も
なんだかの理由でやってきて、ギリシャやペルシャの西方文化の一部も間接的に飛鳥文化に
影響していたはず。それに、狛犬や「阿吽像」のルーツが古代仏教やエジプト文化の
一対で存在する宗教的な像のモチーフであったりと、「対」の意味も「善悪」だけではない。
そんな長い歴史のまぜこぜを考えると、この二面石は、狛犬やら大きな寺院の山門に鎮座する
「阿吽像」なんかと同じ系列の造形物なんじゃないかと思うのです。そこで、もう一度、この
二つの人相を見ていると、「阿・吽」のほうが、私にはしっくりくる。
だから「始まりと終わり」を意味する造形物と勝手に解釈します。

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