2013.08.07 思い立ったら吉日Ⅱ
フランシス・ベーコンという画家をご存じだろうか?
アイルランドに生まれたこの画家は、ピカソと並んで、20世紀を代表する画家です。
その画家の回顧展をわざわざ往復8時間もかけて見てきたんですよね、ワタクシ・・

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・・・と言って、「へー、やるねー」という人や、「えっ?わざわざ、それだけのために
往復8時間もかけて日帰りでいってきたの?」とあきれる人や、「ふむ、それは行くべきだね」と
反応する人から様々でしょうが、困るのは「誰?その人?」という人達です。
いや、困るわけじゃないんですが、たぶん、素人さんはほとんど知らない。
一緒に行った連れ合いは、その素人さんの代表みたいなもんだから「どうだった?」と聞いてみると、
「綺麗じゃないからよくわかんない」と一言・・・。
さて、もし、あなたが誰かを誘って行くとしたら、どんなに誘ったら興味を持つだろうか?
「この人の作品、ほとんど日本にないから、これだけの数を一挙に見られるなんて、
この先ないかもしれないよ」・・じゃ、ダメ?
「静止画なのに動画みたいに見られるっていうのが不思議だよ」・・・・ほんまかいな?
まあ確かに、ある程度「絵が好き」って人でないと乗ってこないだろうな-。
しかし、少しでも「クリエイター」という範疇に関わる人は見に行くべきである!とワタクシは言いたい。
ベーコンの描く作品の魅力と不気味さはどこにあるのだろう、と見終わったあと考えてみた。
そのきっかけを作ってくれたのが、会場の最後のコーナーで展示されていた、ドイツのアーティスト、
ペーター・ヴェルツが、同じくドイツを代表する振付家であるウィリアム・フォーサイスと
ともにつくった映像インスタレーションを見ることができたからかもしれません。

William Forsythe001
「whenever on on on nohow on | airdrawing」 http://aichitriennale.jp/artist/peter_william.htmlより転載

映像は一人の男が「動いている」映像を淡々と流しています。「動いている」と書いたのは、決して
「踊って」いるとは見えないし、「意思」を持った動作をしてはいる一連の動作の途中で、その男の
意識下にない「勝手に」筋肉が動いたような、イレギュラーな動きが見受けられる。
筋肉が人の意思とは関係なく「動く」とはどういうことだろう。そんなことを考えながら、もう一度
ベーコンの作品に目をやると、ベーコンの描く人物像は、描かれた人物は本人の意思なく何ものかに
よって「動かされている」のだ。自分の肉体が無意識に動くこと、これほど、恐ろしい事はない。
例えば、絶命寸前の肉体がピクピク痙攣する動き(演技でしか見たことないけど・・・)
例えば、ボクシングで、ストレートがまともに入ったボクサーの顔面の動き。
そんな「人の意思のない肉体の動き」を、美しい無音の空間にほっぽり出したような絵画
ベーコンの絵画の魅力と不気味さは、そんな冷徹さにあるのではないでしょうか?
それは、いくら精巧に印刷された図版を見てもわからない。
だから、もう一度言います。これを逃すと、一生見られないよ(日本にいる限りはね)

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