2013.11.30 重要無形文化財を買う
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この旅行で自分の我儘を言わせてもらって、大分県日田市の山奥にある小鹿田焼きの里を訪ねた。
我儘のわけは、飯茶碗が欲しかったから。
「小鹿田」と書いて「おんた」と読むこの焼き物の技法は、なんと国の重要無形文化財に指定されているのだ。
それもそのはず、現在10軒ある窯元すべてが、江戸時代中期から代々長男が跡を継いでその技術を伝えている
ため、300年まえの技術がそのままの形で伝えられているからだ。これはすごい事ですよ。技術の純正培養。
その重要無形文化財の技術、それも完全手作りを1200円で買った・・・・・安い!
飯茶碗ではなく「茶碗」になってしまったが、これでも飯は食える。

本来、陶工という職業の人たちは各地域にいて、その地域の土を使って周辺の家庭で使う食器を作っていた。
それが、マニュファクチュアになってしまったから、技術が拡散してしまって、有名どころ以外はどんどん
廃れてしまい、完全手作りの陶器は「陶芸」なんてもてはやされ、著名な作陶家の「作品」は飾るための
オブジェになって本来の目的を無くしてしまうか、高級志向の庶民とは別次元の世界に行ってしまった。
しかし、御田焼きは、とびかんな(素地を回転させて、ヘラや鉋で削った模様)という特徴を、世の中が
変わっても300年守り続け、伝統としながらも普段使いができる庶民の味方なのだ。
もう一度言おう、完全手作りでこの安さ、それも国が指定した「文化財」・・・・あっぱれ!

それに・・・

風景がまた良い・・・
観光客目当ての施設は素朴な蕎麦屋一軒、あとは10軒の窯元があるだけ。
静かな山間に、陶土を搗くための作られた臼のししおどしの「カーン、カーン」という音が鳴り響き、
陶工たちは私たちに愛想ふりまくでもなく、黙々と働いている。なんとすがすがしい。
地区全体が「小鹿田焼の里」の名称で重要文化的景観として選定されているからか、風景自体も
まったくもって観光客に媚びていないところが良い。
残念ながら、10月に行われた陶器市の後だったのか、買える品物はそれほどでもなかったが、
それぞれの窯元の庭先には、次の火入れのために乾燥を待つ素地が並べられていて、理想的な
「焼き物の里」の風情が感じられた。

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