2014.01.29 キースとカンディンスキー
年始にアマゾンで注文した激安ジャズ名盤6枚がやってきた。
すべて車の6連奏に装填し、知ってる曲も知らない曲も一気に聞いちゃおうという魂胆。
本日はキースジャレットが1971年に ECM で録音したソロアルバム【Facing You】について。
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切り口が超個人的でピントがずれているのはご勘弁。そう思ったんだからしかたがない。
結論から言いましょう・・・・これはワシリー・カンディンスキーの抽象絵画に似ていると。
まあ、たまたま読んでいる本がその手の本で、なんか似てるんじゃないか?と思ったのかもしれません。

ワシリー・カンディンスキー(Wassily Kandinsky)という人は
ロシア出身の画家で、抽象絵画を初めて描いた人、と言われています。
ルネサンス以降のヨーロッパ絵画が、遠近法によって「あたかも」画面の中に視覚対象を再現しよう
とした表現に疑問を呈し、「いやいや、それがすべてじゃないでしょう?」と言い出した人。
彼の言い分は・・・・・・「外部の世界」に頼ったものではなく、
要するに「精神的なもの」を描くためには外界の模倣では限界がある、それらを
十全に視覚化するためには、これまでにない全く新しいかたちと色彩学、様式に拠るほかない。
ただし、それは恣意的なものであってはならない、そこには内的必然性に依拠した形態と色彩の
理論的、合目的的な探究が前提としてある、
(20世紀絵画 宮下誠・著 光文社新書P133より抜粋)
・・・・ 結構、理論派 ・・・・
1、「外面的な自然」から受けた直接の印象。これが、素描的、色彩的な形態をとって現われるもの。
2、主に、無意識的な大部分は突然に成立した、内面的性格を持つ精神過程表現、
  つまり、「内面的な自然」の印象。
3、これと似た仕方で(しかしきわめて徐々に)私の内面で形作られるが、時間をかけ、
  ほとんどペダンチックに、最初の構想に従って私により検討され練り上げられる表現。
(同・P136より抜粋)
1は「印象」、2は「即興」、3は「作曲」、とも自作品を評してます。
・・・・ やっぱり理屈っぽい ・・・・

キース・ジャレットのこのアルバムを聴いていると、このカンディンスキーの理論にピッタリはまっている。
このアルバム後に発表した一連のソロアルバムは、美しいメロディの中に、キースの心臓音が聞こえるような
緊張感のある演奏で、私たちを魅了しましたが、このアルバムが出発点でもあり、「外部の世界」を頼ることなく、
内面世界を表現しようと試みた演奏ではないのか、と感じます。だから、初めてキースのソロピアノの演奏を聴く
人には、ちょっとなじめないかもしれない。そう、抽象絵画がなじめない人と同じように・・・・。
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ワシリー・カンディンスキー 【コンポジションⅦ】1913年

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