2014.05.09 インタラクティブアートとしての
覚悟して聴きなさいよー、って感じ。
1曲目【 Deep Space / Solar 】の冒頭はそんな感じだ。
スローテンポな、一音一音確かめるように弾き始めるキースの演奏には
緊張感が漂い、ジャズというより現代音楽っぽい。
こんなところで咳されちゃー、演奏している側にしてみればたまっちゃもんじゃない。
しかし、ここでは誰も咳をしていないので、盟友ゲイリー・ピーコックとジャック・ディジョネットを
交えて、Solarになだれ込み、静々と演奏は終わる。もちろん、観客席からの掛け声もなく、
落ち着いた拍手だけが会場を包み込む。
01Somewhere.jpg
キース・ジャレットの「Somewhere 」を、早速聴いている。
ECMのジャケットは相変わらずシンプルでクールだ。12cm角のCDサイズの大きさではもったいない。
やっぱり、LP盤のジャケットのほうが良いよね。中身はCDサイズで良いから、ジャケットは大きくならないかな?

2曲目「Stars Fell On Alabama」もまだ、スローテンポ。なんとも美しいバラッド。
3曲目、「Between The Devil And The Deep Blue Sea」。良いねー、軽快。
時速60キロぐらいで、信州八ヶ岳周辺のワィンディングロードを流して走っている感じ(ドライブした人はわかる)
4曲目、スローダウンし、「 Somewhere / Everywhere 」。前半、2分過ぎから、それまで控えめに
キースをサポートしていたゲイリー・ピーコックのベースが前に出てくる。ふと、ビル・エヴァンスと
スコット・ラファロとの共演を思い出す。そのまま、この関係はベースからドラムに引き継がれ、
ジャック・ディジョネットのスネアドラムの心地よいリズムが永遠と続き、それにピアノが絡み付く。
なんとも心地よいリズム、音、メロディ・・・・本アルバムのメインディッシュだね。必聴!
5曲目は、映画・ウェストサイドストーリーの挿入歌「Tonight」
マリアとトニーの甘いデュエットを、アップテンポの、いかにも「ジャズ」っぽく仕立て上げ、
キースは雄叫び、会場もやんややんやの大喝采。ラストを飾るはスタンダード「I Thought About You」、
ここで再びディジョネット登場。アコースティックのベースの音って本当に良いですね。
最後は1分近い拍手が続き、フェイドアウト・・・・休憩なしの2時間以上のライブは終わる。

3人のそれぞれの音はそれほど力強くもない。どちらかというと弱く繊細だ。
しかし、「あ・うんの呼吸」とでも言おうか、それぞれが思いやり、絡み合い、
絹の糸を紡いでいるような音の様は、熟達したミュージシャンしか成し得ないパフォーマンスだ。
それに、こんな素晴らしい演奏を聴きたい、と思えば、聴く側もそれ相応の覚悟と、
「音作り」の一員である自覚は必要なのではないか?この人はそんな音楽を創造しているのだ。
美術の世界で「インタラクティブアート」という、観客を何らかの方法で参加させ、
それで作品が完成する、という表現方法がある。キースのライブはそれに近い。

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