2014.07.21 必要な場所
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FUJI X-E1 with XF35mmF1.4 R

都の真南、険しく鬱蒼と森が広がる山々、そして竜のごとく荒々しく蛇行して流れる大河、
地の果ての熊野は、人間を寄せ付けない霊地として、ただ車窓から眺めているだけの
現代人の貧弱な想像力ででも理解することができます。

熊野本宮大社の少し南、旧の国道311号線沿いに真名井社と呼ばれる神社があります。
真名井社は、土地の人には真名井さん呼ばれ、「真名井」とは神聖な水の涌く井戸のことだそうで、
出雲や京都など古来から神聖な水を汲む滝や水辺をこのように呼んでいます。
熊野の真名井社のご神体は「井戸」。苔むした石垣の間から染み出ている井戸に結界が張られ、
後背の山、小塩山で浄められた水がここで湧き出ます。小塩山というのは、塩は神様に供える
神聖なものだからでしょうか。山や森、水、これらすべてのものが人にとっての神なるものを
祀る対象として「今」でもある。そのようなものをイメージできる場所、熊野。
古代の都市生活者であった京都や奈良の人々が、この場所が必要であったように
現代の都市生活者にとっても必要な場所であるように思われます。

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