2014.08.12 そして熊野へ
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GR digital Ⅳ  熊野 花の窟神社にて
ヨコハマトリエンナーレを見た後、新国立美術館でやっている「オルセー美術館展」と、
三菱一号館の「ヴァロットン展」を見て帰ってきた。このふたつの展覧会も、なかなかなであった。
帰ってきた次の日、今度は紀伊半島の南端、串本にある応挙・芦雪美術館に行ってきた。この美術館は、
無量寺というお寺の境内に建つ日本最小の美術館。もう、ずっと前から行きたかったので、念願かなったって感じ。
念願かなったが、この日は雨、雨の日は収蔵庫にある現物は公開していない、と半分しまっていたシャッターから
出てきた係りの方が言うではないか!(湿気が心配なのだろう)
「レプリカが本堂にありますけど、見ますか?みなさん感動されますけど…」と言われてもなー、
本物じゃないしなー、と思いつつ、その本堂にあるレプリカを見せていただいた。それがこれ。

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大日本印刷 http://www.dnp.co.jp/denshoubi/works/fusuma/m01.htmlより転載

紹介している画像は「竜虎図 」ですが、このほか「薔薇図 」「群鶴図」「寺子屋図」の襖絵を、
係りの方の説明を聞きながら、実際にあった場所で作品を見られるってなかなかよろしい。
もっと詳細をじっくり見たいとも思ったが、なんせ「レプリカ」。印刷物だから、紙に墨をしみ込ませた
芦雪の筆使いの息遣いまでは感じることはできなかった。(しかし、凄いプリント技術です)
やっぱり、見られなかった「本物」を見てみたい、と同時に、もう一度このレプリカもじっくりと見てみたい。
この美術館、小さいけれど充実した、内容の濃い美術館です。

ところで、芦雪って誰?って言われそうなので、書いておきますと・・・・
江戸時代の絵師で、当時(1700年代半ば)の売れっ子絵師、円山応挙の一番弟子。フルネームは長沢芦雪。
宝永地震による大津波で全壊・流失してしまったこのお寺が再興された際、時の住職が京都にいる
応挙に襖絵を依頼したが、超売れっ子の応挙、こんな遠いお寺まで出向いて仕事することもできず、
それじゃ、お前行って来いと、このお寺の襖絵が芦雪の仕事となったわけ。
約1年間、このお寺の近辺で筆を振るったようで、近所のお宅やお寺にも芦雪作の作品が残されています。
応挙譲りのテクニシャンで頭角を現した芦雪。しかし、本来は自由闊達、豪放にして老獪、京の都から
遠く離れたこの熊野の地で、師匠の眼の届かないことを良いことに、好き放題の想いのままの仕事だったようで、
勢いのある筆致、大胆な構図に現れています。そして、そんな豪胆な作風が日本美術史上「異端」と言われています。

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