2014.08.19 仕事人
「いらっしゃい、今日は金曜日なもんで 【ブラック】 しかできないんですよー」
「ええーっと、じゃあ、それとごはん」
「ハイ、少しお待ちください」・・・・・
10人ほどしか座れないカウンター席は、腹を空かせた男たちで満員状態だ。

彼は調理場左にある台の上に置いてある箱から麺を取り出し、目の前にあるデジタルクッキングスケールで重さを
量り、麺数本を箱に返した後、適量なった麺を「てぼ」に入れ、正面の寸胴鍋が三つ並んだ真ん中の鍋に投入した。
・・・・と間髪入れずに、その鍋の右隣にある大鍋に左手を入れ、程よく温まったラーメン鉢を取り出し、体を右に
反転させながら、右手に持った布巾で水気をふき取り、その鉢を長さ約90センチ、奥行45センチほどの調理台に置
くと同時に、布巾を置いたその手を菜箸に持ち替え、今度は左に振り返って寸胴鍋の中の麺をほぐす。逆回転するか
のようにすぐさま右に反転し、先ほどの温まったラーメン鉢にレードルを使って、タレ、調味油を入れ、左手でラーメン
鉢を持ちながら振り返り、今度は、スープ鍋から一杯分のスープを右手に持ったお玉で入れ、お玉の柄をスープ鍋に
ひっかけると、体を左に反転させて、ラーメン鉢を調理台に置く。
さあ、仕上げだ。
振り返って、ゆであがった麺の水分を切り、その麺を完成したラーメン鉢に入れ、菜箸で撹拌し、麺とスープをなじま
せたあと、長さ約7センチ、高さ4センチ、厚み1ミリ程度のチャーシューを3枚を扇状に並べ、メンマ4本、少し大ぶ
りの小口切りした青ネギ、白ネギをレンゲ山盛り一杯分を最後に投入して、その行程すべてを完了させ、
「お待たせしました」とカウンターに完成したラーメンを置き、彼の仕事は終わった。

まことにもって無駄のない、ほれぼれするほどの動き。
昼メシにと、初めて入ったラーメン屋での出来事・・・・・
味はどうかって? 不味いはずがない。私は生まれて初めて「おいしかったです。
また、来ます。」と、その彼に代金を払いながら声をかけて店を後にしたのだった。

Secret

TrackBackURL
→http://washiaya.blog72.fc2.com/tb.php/2288-e75d3279