2015.05.17 超芸術家の全貌
前衛美術家、漫画家・イラストレーター、小説家・エッセイスト、写真家・・・・
人は色々な肩書を付けたがるけれど、赤瀬川原平は「赤瀬川原平」という肩書で十分だと思った。

例えば、読売アンパン、ネオダダ、1000円札事件時代の作品と資料を見ていると、揺れ動く
時代の流れに真っ向勝負をかけて表現したエネルギーを感じるし、桜画報時代の、社会を
シニカルに見つめ、精緻で落ち着いたペンや鉛筆による線描で描かれた作品は、今すぐ
復刻していただきたい、と思ったし、美学校で学生に教えた内容は、美術や図工の先生の
参考になるだろうし、トマソン物件の収集資料は、ぜひそのまま書籍化していただきたいと、
声を大にして出版関係の諸氏に言いたいし、カメラ趣味が高じて描いたカメラをモチーフに
した鉛筆画は、額に入れて飾りたいと思ったし、氏が出版した書籍の数を見て、アタクシは
その半分しか読んでいないことを知って、ファンとしてはまだまだ甘いな、と思った。
しかし、実はそんなことよりも、最後にインタビューを受けて、笑顔で語っている原平さんの
姿が映ったビデオを見て、その笑顔に感動し、少しジーンときた。

これら膨大な仕事・・・これらを「仕事」といっても良いのかどうかは、アタクシはわからない、
いや、この美術館という場に公表されるわけだから、芸術という仕事ではあるのですが、
経済関係優先の「仕事」から見ると、ほとんどが「仕事」とは言えないような気もする・・・・
しかし、一人の人間が残した「仕事」としてはとてつもなく大きい。たぶん、本人はそんな
自負はないだろう。「まあ、好きな事をやってきたらこうなっただけです」と草葉の陰で
言ってるのだろう。そんな「大きな仕事」を残しながら、なんともひょうひょうとし、余裕のある笑顔。
「私は大きな仕事を成し得た」なんていう態度をみじんも感じさせない、ちょっと鼻声のおっとりした口調。
世間一般の「肩書」から遠く離れたところで、「赤瀬川原平」だけができる仕事をした赤瀬川原平。
氏の笑顔がそれを如実に語っていた。アタクシはそれが理解できただけで十分満足した。

広島市立現代美術館で開催されている【 赤瀬川原平の芸術原論展 1960年代から現在まで 】を
原平ファンでもあるアタクシは往復10時間かけて見に行ってきた。他、鈴木理策展など・・・。
(途中、観光やら、ご当地グルメを楽しみながら・・・) 良い旅だった。

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