2015.05.18 やっぱり、生写真は良いねー
鈴木理策の【 White 】の連作のうち、(タイトル)09,H-361.360.363、12,H-512.513.514.515、09,H-254 の
8作を横並びに展示されていた組み写真にいたく感銘を受けた。(欲しい!)

香川県の丸亀市猪熊弦一郎現代美術館で開催されている「鈴木理策写真展 意識の流れ」でのこと。
左側から、雪の吹き溜まり越しに見える灌木を連続して撮影した作品3点。ただし、その灌木は
2点は画面の上四分の一だけ、1枚は左端に少し見えているだけで、手前の吹き溜まりの稜線は
ピントがぼけ、画面のほとんどが白い。連続しているように見える真ん中4点は何も映っていない
かのように白のみの画面。最後の1点は、画面左から右へ、白から淡い水色のグラデーション。
何を撮っているのかわからないけれど、そんなこと関係なしに美しい。

この展覧会に行けるかどうかわからなかったので、図録をネットで手に入れて見ていたけれど、
印刷とプリントは当たり前だけれど、違う。3月6日の「 白という色について」でも記事にしたが、
特に真ん中の4枚の生写真は、雪を撮影したという作者の意識がこちらに伝わってこないから、
「何もない白」か「雪の白」なのか判別できず、とまどってしまう。「生」の「白」は写した「白」なのか
それとも写っていない「白」なのか?作者は、それを見る者に委ねる。
それに、8点の作品を横並びに展示したイメージは水墨画の襖絵に準じる。(たぶん)
だから、この「白」だけの4枚は「間」にも見える。そこがまた、良い。
綺麗な風景を綺麗に撮っても綺麗な「写真」にしかならないが、「生」をそのまま提示されると、
写真自体が綺麗な物質に変わるんだなー、と感心するとともに、リアルだ。
勢いで、美術館のショップでこの写真集を買ったが、印刷になるとその魅力は半減してしまう。残念だ。
やっぱり、生写真は良いねー。見に行けて本当に良かった、と感じた展覧会だった。

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写真集表紙一部をスキャン
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