2016.03.10 アッパレ 大津地裁
一般社団法人 News for the People in Japanに掲載されていた
大津地裁 高浜原発稼働禁止仮処分決定(抜粋)の抜粋

2 争点2(過酷事故対策)について
(1)福島第一原子力発電所事故によって我が国にもたらされた災禍は、甚大であり、原子力発電所の持つ
危険性が具体化した。原子力発電所による発電がいかに効率的であり、発電に要するコスト面では経済上
優位であるとしても、それによる損害が具現化したときには必ずしも優位であるとはいえない上、その環境
破壊の及ぶ範囲は我が国を越えてしまう可能性さえあるのであって、単に発電の効率性をもって、これらの
甚大な災禍と引換えにすべき事情であるとはいい難い。

地球温暖化に伴い、地球全体の気象に経験したことのない変動が多発するようになってきた現状を踏まえ、
また、有史以来の人類の記憶や記録にある事項は、人類が生存し得る温媛で平穏なわずかな時間の限られた
経験にすぎないことを考えるとき、災害が起こる度に「想定を超える」災害であったと繰り返されてきた過ちに
真摯に向き合うならば、十二分の余裕をもつた基準とすることを念頭に置き、常に、他に考慮しなければならない
要素ないし危険性を見落としている可能性があるとの立場に立ち、対策の見落としにより過酷事故が生じたとしても、
致命的な状態に陥らないようにすることができるとの思想に立って、新規制基準を策定すべきものと考える。
債務者の保全段階における主張及び疎明の程度では、新規制は基準及び本件各原発に係る設置変更許可が、
直ちに公共の安寧の基礎となると考えることをためらわざるを得ない。

昨日のニュースで知った大津地裁の稼働中の高浜原発に対する運転差し止めの仮処分決定。

福島第一原発事故から5年、なんら明るいニュースを見つけることもできず、ただ、「必要なんですー」の一点張りで
他県の原子力発電が再稼働、アタクシタチ国民も、福島の実情も忘れたかのように黙ってなすがままに容認している。
その「原子力発電」に、「本当にこのままでいいんですか」と、くぎを刺さした大津地裁の決定である。

日曜日だったかNHKスペシャル「被曝(ひばく)の森 ~原発事故 5年目の記録~」を観た。
今なお7万人もの住民が避難して生まれた福島原発北西の広大な無人地帯が、5年の歳月で、世界に類を見ない
生態系の激変が起きているそうだ。植物が街や農地を覆いつくすほどに成長し、イノシシの群れが白昼堂々と街を歩き、
降り注いだ放射性物質は、「森」に多く残留していることが判明。食物連鎖を通じて放射性物質が動植物に取り込まれて
いる実態も研究者らによって明らかになってきている。・・・・そんなドキュメンタリー

人が作り出したエネルギーの崩壊によって、人の生活の場を奪い(それも七万人!)、その場所に、放射能の恐怖など
まったく知る由もなく(というか、関与しない)動物たちが自由に行き来している映像を観ていると、私たち「人間」は
いったい何をやっているんだろう?と空しくなってきた。
「原子力発電所による発電がいかに効率的であり、発電に要するコスト面では経済上優位であるとしても・・・・」
「有史以来の人類の記憶や記録にある事項は、人類が生存し得る温媛で平穏なわずかな時間の限られた経験に
すぎないこと・・・・」を本気で考えると、安倍首相がさっそく「新基準適合の原発、再稼働進める方針に変わりない」と
表明したが、このことこそ、もっと慎重に首相の好きな「国民的議論」が必要なんじゃないかなー。

様々な意見があるだろうが、そんな意味も含めてアタクシは司法の判断に「アッパレ」を差し上げたい。

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