2009.01.14 根無し草の文化
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KONICA HEXAR 大覚寺にて 

東京美術出版から出ている「すぐわかる 画家別・近世日本絵画の見かた」を読んだ後、
「すぐわかる 画家別・近代日本絵画の見かた」という
明治以降の日本美術を紹介した本を読んだ。
その後、夏目漱石の講演集「夏目漱石・私の個人主義ほか中央公論新書 を友達に借りて読んでいる。
その二つを通して思った事。

夏目漱石が英文学を研究するためにイギリスに渡っったのに、
イギリスの感性(西洋文化)と日本(本人)の感性とのギャップを埋められず研究を諦めたらしい。
(難しい語彙が多かったので、たぶんそう)
そういう体験をした漱石が日本各地で行った講演集で
明治維新以降の日本の有り様を痛切に批判している。
そこでこの本の中で再三出てきた「根無し草」という言葉が気になった。
なんか、今の日本の現状を明治の文豪が語っているような気がした。

「近世日本絵画の見かた」を見ていても、
明治以降の日本の代表的な絵画作品はヨーロッパ美術に翻弄され、
全体的にその表現様式に統一感がないように私は感じた。
(一人一人の作品は素晴らしいんだけれどね)

明治以前はヨーロッパ文化が入ってきていたといっても、
中国大陸を通って、じんわりと入ってきていたし、
直でも鎖国していたからワンクッションあった。
だから、日本文化とちょっとづつ混ざっていった。
しかし、明治の大変革で西洋文化を盲目的に肯定し、一気に飲み込んだって感じ。
これを芸術家個人の力量で消化し、うまく順応した者、消化しきれず息絶えた者様々。
西洋というショベルカーで一気に今まで蓄えられてきた日本文化の土をはぎ取られて
右往左往している当時の芸術家の姿がそこにあります。
芸術家だけではなかったろうな、すべての日本人が右往左往したんだろうな。

太平洋戦争後の日本もいっしょだな。
そして、今、「がんばれニッポン」とか「強いぞニッポン」なんて言いながら
根無し草の日本の土台を造り直そうとしているのか?
でも、その「根無し草性」が古来からのこの国の特徴だったりして・・・
言い換えると、何でも受け入れられる度量の深さというか、臨機応変に対処できるというか・・・
いやいや、根無し草もなかなかたいしたもんだと思うけれどね。

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