2015.01.18 今、あえて改めて名盤と言おう
1971年、11月20日、『風街ろまん』というアルバムが発売された。
東京都港区白金出身、細野晴臣24歳、岩手県江刺郡梁川村(現奥州市)出身、大瀧詠一23歳、
東京都港区青山出身、松本隆22歳、東京都世田谷区出身、鈴木茂19歳の4人の若者が組んだバンド、
「はっぴーえんど」が出した2枚目のアルバムである・・・・・
・・・・なんて書きだしたけれど、音楽好きなら誰でも知っていますね。
年末の放映されたNHKの名盤ドキュメント『はっぴいえんど「風街ろまん」(1971年)』を見たのをきっかけに
CDを買った。なんせ、名曲「風をあつめて」が入ったオリジナルアルバムだから、「買わねばなるまい」。
発売当時、アタクシはこのアルバムのことを知らなかったのか?いや、知っていた。聴いたこともあるはずだ。
ジャケットデザインも印象に残っている。メンバーのその後の活躍も、知っている。大瀧詠一にいたっては、
バンド解散後初となるソロアルバム『NIAGARA MOON』をレコードで買ったし、CDでも再び買った。
しかし、この『風街ろまん』は、なぜか知っているようで知らない、聴いたようで聴いた印象のないアルバムだった。

今、改めて聴いてみると、やはり名盤の名に恥じない名盤であると確信した。
いつもはジャケットの画像を掲載しますが、今回は中ジャケを紹介しよう。今やダウンロードして好きな曲を
手に入れる若者には「中ジャケ」と言ってもピンとこないでしょう。当時、LPレコードのジャケットは見開きに
なってまして、その見開きにも写真やイラストがプリントしてあったのです。『風街ろまん』の中ジャケは都電の
走るシーンをモチーフにした線画の鉛筆イラスト。本来はこれを表ジャケに使うところを、このイラストを描いた
イラストレーターが「4人の顔にしようよ」と提案して表ジャケは4人の顔を並べたイラストになったと、松本隆氏が
テレビの中で語ってました。まあ、そんな周辺情報はさておき・・・・

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いや、手に入れてから、4日間聴きっぱなし。飽きない。友達に「貸してね」と言われたけれど、まだ、ちょっと無理。

それでは、何が良いのか?何がアタクシのツボにはまったのか?
まず、「詞」ですね。ほとんどが松本隆氏が書いています。軽く流すように聴くと、「なるほどねー、これが和製ロッ
クの原点か。そういえば、楽器と声が旨くリンクしてるなー」と評判通りで終わってしまうけれど、じっくり聴いてい
ると、日常と非日常が混在した情景が言葉として組み合わされ、音階に溶け込んでフラッシュバックのように、
目の前に広がる。22歳のロック好きの若者が宮沢賢治の世界に影響を受け、変わりゆく彼の故郷、東京の街を
モチーフにした詩はシュールで美しい。アタクシは、この歳になって初めて「詞」が良いな、っと思う日本の楽曲を
知った。彼は、この後、歌謡界で作詞家として数々のメジャーヒットを飛ばし、名実ともに人気作詞家になる。

そして、大瀧詠一氏の書いた曲だ。ロックのかっこよさとはこのことを言うのだろうと思った。
昔からアタクシは、「英語圏のバリバリのロック」は結構認めるけれど、「日本語のバリバリロック」には興味はない。
まあ、自分の名前入りのタオルを首に巻いてマイクスタンドをくるくる回すY氏や、それ系のバンドには興味がわか
ないということだ。しかし、このアルバムに収録されている大瀧氏の「はいからはくち」と「颱風」の二曲を聴いている
と、まぎれもなく「和製ロック」なのですが、歌い方なのかなー、リズムなのかなー、聴いていて心地よいんだよなー。
それと、余裕がある、気合で歌っていない。そうだ、感情がこもっていない、と言ってもいい。それが良いんだ。
この傾向はアルバム全体にあって、メンバーすべてのリードボーカルに「感情」が込められていないのが良いのだ。
ロックに感情が加わると演歌になっちゃうもんね。
大瀧詠一、数々の名曲を残しながら、 2013年12月30日死去。日本の音楽界の巨星であることは間違いない。
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2014.12.02 荒井由美が好きだ!
最近ちょっとノスタルジックになっているようです。
音楽の方も、突然、ユーミンの独身4部作を集中的に聴きたくなって、車の中で結構な音量で
聴きながら通勤している。「ユーミン」と書いたが、その「ユーミン」という愛称、実はあんまり好きじゃない。
・・・と言うか、アタクシにとっては「荒井由美」がすべてだ。よって、アタクシはそれほどのユーミンファンじ
ゃないのかもしれない・・・が、しかし日本のミュージシャンで誰が好きか、と訊かれると「荒井由美」と答えるだろう。

で、御存じのように【ひこうき雲】【MISSLIM】【COBALT HOUR】【14番目の月】がその独身4部作であるが、
これ以外アタクシはユーミンのアナログアルバムを持っていない。あの頃の、なんとなく5作目以降のア
ルバムを聴く気にならなくなったのは、こちら側の聴く音楽の趣向が変化していったからかもしれないが、
今、改めて連続して4作を聴いてみると、その理由が少しわかったような気がした。
それはデビューアルバム【ひこうき雲】、それに続く【MISSLIM】が、彼女のアマチュアイズムが前面に
出ていて、内省的で個人的なそのピュアさが、同年代(彼女の方がアタクシよりお姉さんだけどね)の
アタクシの感性とシンクロしたのだろう、本当に、アナログレコードの溝が擦り切れるほど、何度となく
聴いた。それが3枚目の【COBALT HOUR】になると一気にポップで華やかな様相に変わる。古い記憶を
たどると、初めてアルバムに針を落として、タイトルにもなっている【COBALT HOUR】を聴いてぶったまげた。
そして独身最後のアルバム【14番目の月】でアタクシの荒井由美は終わった・・・・と感じたのだ。
つまり、【COBALT HOUR】という曲は、荒井由美がユーミンになった、アマチュアがプロになった瞬間なんじゃ
ないか、と思ったわけです。まあ、どうでもいい話だけれど、分析好きの戯言と読んでください。
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2014.11.22 ガジェットの誘惑、または思い出の曲、再び
レコードがCDにとって代わって早30年。今やそのCDさえ音楽を聴く媒体としては過去のものとなりつつある。
・・・・なんて、冒頭に世迷言を書いてもしょうがないが、若かりし頃に買ったレコード、みなさんどうしてます?
バイト代で稼いだ小遣いを工面したり、パチンコや麻雀で稼いだお金を「あぶく銭だー」なんて言いながら
買ったレコード。今は押し入れの中で捨てられずにしまってあるレコード・・・・
ワタクシは、それをどうにかしたいと思ったのです。で、騒動買いしたのがコレ。

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ION Audio(アイオン・オーディオ)社のArchive LP というレコードプレーヤー。
ステレオスピーカー内蔵でUSB端子も装備し、パソコンやiOSデバイスへの音楽取り込みもラクラクできる、
それに、筐体が天然木のおしゃれなデザイン。それがなんと!9980円。ドーン!

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2014.09.15 僕の愛聴盤
ジョー・サンプル(Joe Sample)の訃報をラジオで聴いた。享年75歳
また、一人、僕らの時代のジャズジャイアントがこの世を去った。

CDを買い集める、というか、結果的に増えた所有物のCDを眺めて分類してみると、「もうこの人のは絶対買うも
んね」というパターンと、「おお!良いじゃない」と思ったとたん、立て続けに集めるパターン、どこかで聴いた一曲
が気に入ったので、その曲が入ったアルバムを1枚だけ買うパターン、という三つのパターンがワタクシにはある。
(みんな、どう?)
ジョー・サンプルは最後のグループ。学生時代に友人が聴いていたのに感化され、当時、フュージョンが全盛期、
「クルセイダーズ」としてのグループワークの、ポップな路線でアプローチした大ヒットアルバム【 Street Life 】 を買
った流れで手に入れたのが 【 Carmel 】 (日本名・渚にて)。
実はジョー・サンプルのアルバムはこれしか持っていない。しかし、レコードもCDも持っている。
そして、「今まで何回も聴いたアルバム・ベスト10」というランキングをつけると、たぶん6位ぐらいに入る。
どこでも、どんな状況でも聴いていても、気持ちのいいアルバムだからだ。
疲れてイライラしている時に聴くと和むし、天気の気持ち良い時に聴くと晴れ晴れするし、寝る前に聴くと
自然と眠りにつけるし、ドライブの時は運転が楽しくなるし、仕事している時に聴くとはかどるし・・・・・・
あなたの愛聴盤は?って誰かに訊かれたら、「はい、WRの【ブラックマーケット】です」なんて即座に
答えるだろうけれど、実はこれがワタクシの愛聴盤。作者は他界してしまったけれど、作品は永遠なのだ。

それにしても、このジャケットデザインはダサい。

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2014.06.24 もしかしたら、もしかしたら・・・
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CDショップに入って音楽CDを買うことがほとんどなくなってしまった。
ましてや、大型ショッピングモールに入っているCDショップには、音楽業界では少数派のジャズやクラシックは
店の隅に追いやられていて、なおかつ売れ線しか置いていないのを知っているから、積極的には足が向かない。
・・・・よって、「ジャケ買い」なんてことも、とんとご無沙汰。

これ、なかなかおしゃれなジャケットでしょう?
乳白色の、ちょっと廃れた壁の背景に手書きのロゴ。ドイツ、ECMレーベルお得意のジャケットデザインだ。
ふらっと入ったCDショップ、最近気になるクイーンのヒットメロディのCDを見つけて、ついでに(と言っては失礼だが)
手に入れたノルウェー出身のサックス奏者、ヤン・ガルバレクの1973年のリーダーアルバム。
もし、つまらなかったらどうしよう、とも思ったが、デザインが私好みであったので買ってしまった。
そして聴いてみると・・・・
もしかしたら、私的にはウェイン・ショーターに匹敵するサックス奏者かもしれない。
キース・ジャレットのヨーロピアンカルテットのヤン・ガルバレクとして聴いていたのが、
このCDを聴いて、ジャズプレイヤー、ヤン・ガルバレクとして気に入った。(どういう意味?)
楽曲に個性を感じるし、奏者としても個性的(つまり、誰が吹いているのか一聴すればわかる)
ちょっと言い回しが、マニアックすぎるかなー・・・・
そうですねー、小説でいうと、ノルウェーつながりで、村上春樹の「ノルウェーの森」を思い出した。
ちょっとウエットで、切ない物語を抽象的な表情の文体で淡々と語っているような感じ。
(私見だから余計にややこしいか?でも、無理やりひっかけたつもりはないですよ、正直なイメージ)
アルバムの4曲目に入っていてアルバムタイトルにも.なっている【Witchi-Tai-To】というバラッドは
何気に聴いていてもサックスの音にジーンと切なくなる。それでいて演奏者のクールさが見える。
 客観的に演奏しながら聴く者の心に響く音 ・・・・ そこがかっこいいなー ・・・・
アマゾンで見てみると、多くのリーダーアルバムを出している。もしかしたらハマるかも・・・な予感。